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創作への受容力が変わっていた:左目探偵EYE


ここ数週間、自分が過去好きだったものをたどっています。

少々自己分析に繋がったので記録です。


過去好きなものが複数ある中
いまの「過去への興味の対象」で、一番大きいのは山田涼介くんなのですが
中学生だった私が中学生だった彼に惹かれた理由、ドラマを視聴しています。

過去の私は丁寧にブルーレイディスクに録画してくれていましたので、実家から数本持ち帰りました。
色々持ち帰ったけど、とりあえず視聴したのは、下記二点です。
・探偵学園Q
・左目探偵EYE
あんなに好きで、あんなに好きだったし、何度も繰り返し視聴したのに、
内容の記憶が殆ど無いことに笑えました。

▼探偵学園Qについては過去記事で少々書きましたが、
原作を大人になってから読んでいたので割愛


今回衝撃的だったのは左目探偵EYEの方です。

田中愛之助くん(山田くん)が好きだった記憶だけ残っていました。

パっと視聴前、思い出せたのはこれだけでした。
「中学生の田中愛之助くんは、もともと左目の視力がほとんどなかった。兄の夢人(横山裕くん)から左目の角膜移植を受け、視力を手に入れる。その後夢人は事故で亡くなってしまう。愛之助は父母も事故(?)で失くしており、天涯孤独。しかし夢人は生きていて、犯罪を計画する犯罪プランナーだった。それで…赤と黒のマフラーを首に巻いていて…。えーと瞳先生(石原さとみさん)っていう先生がいて…なんか最後はハッピーエンドだった気がするんだけど?」

視聴しました。
ハッピーエンドとは言えなかった。

私の、かすかに残った記憶の本作はもっと柔らかいものでした。
愛之助と、瞳先生の記憶だけあったのかな?
そもそもこんな残酷な話だったんかい…😢

兄の夢人は、理系の天才だった。
愛之助くんの左目は、なんらかの衝撃を受けることで夢人の左目がうつした映像を見せる。
なので、愛之助くんは頭をぶつけたり、殴られたりばかりする。
愛之助の左目=夢人の視界は、初期は愛之助くんの笑顔も映っていた。
けれど、徐々に夢人の起こす犯罪計画の断片ばかりを映すようになる。

そのうえ、あまりに現実感のなさすぎる夢人の犯罪計画。
夢人が起こす「東京の崩壊」に関する現実的な描写をほとんど捨て、愛之助と夢人だけの世界で進んでいく内容。

非現実的な人間描写。
ほとんど追い詰められていて、
憎悪・悲しみ・切迫・絶望の感情や心理しか見せない愛之助くん。

中学生に背負わせるには重すぎる
愛之助くんの過去・今・未来のすべて。
過去(夢人が殺した死体を共に遺棄した記憶を失っていた)
今(毎日周囲の人が傷つけられあるいは目の前で死に、絶望を繰り返し、眠れない夜を過ごしながら、大人に期待されて事件解決に奔走する)
未来(自分は忘れていたけれど小さなころ誘拐されたうえ誘拐犯の死体を遺棄をしていて、兄は東京のビルを何本か倒して人を何名も殺めた犯罪者で、起きた事件はすべて「夢人が愛之助のために起こしていたもの」で、肉親は全員いなくなり、住んでいた家の大家も犯罪者でそのうえ殺され…)


普通の中学生ですよ?
スペシャルドラマの時の純粋な笑顔を返してくれよ~!


毎日左目の映像を見るために、あんなに殴られ頭をぶつけ苦しめられて、
中学生だったらしなくていい経験をして。

自分より10以上離れた何名もの大人に期待され、事件にどんどん足を突っ込んで。

私だったら、私が中学生だったら。あんな風な体験を毎日していたら、なんらかの精神的ショックでもう頑張れないよ。
もう頑張らなくっていいよ。
信じていた人々にあんなに裏切られ、何名もの死に立ち合い、そんな君が「兄ちゃんはたった一人の家族なんだ」じゃあないよ。

いや、夢人も歪んでいただけで、愛之助くんのことを「ひどく愛していた」のだけれど。
だから、あんな事件を愛之助と自分のために起こしたのだけれど。

でも君は頑張るんだね。これまでも、これからも。

どんだけ良い子なんだ?
あと髪の毛切った方がいいよ 髪の毛を切るいとまもないほどの生活だって…?

とにかく途中途中、しんどすぎて見ていられませんでした。。

多分なんですけど
(ちょっとMBTIにからめて話してしまい恐縮なのですが…)


きっと中学生だったINFJの私は、内向的直観(Ni)+外向的感情(Fe)が強かった。

昔の自己の「創作を受け取る」力が、
かなり主観的で、直観的で、感情的だったんだと思います。


たとえば、より注目した愛之助くんという男の子にだけ主観的に強く憑依をするように。


そう、愛之助くん。
彼の主観で見れば、この話はそう変な物ではないのです。
ただただ、振り回されてしんどくて、でも彼なりの正しさを愛で貫くだけ。
彼という人間だったら、「こう」なったら、「こう」するだろう。
でも………!でもさあ!!!


ねえ瞳先生、これは「愛之助は世界一カッコイイ中学生だよ」では済まされないよ。

今の私が客観で見ると、世界観が怖すぎるしおかしすぎるし刺激的すぎるし救いがなさすぎる。
15の私だからこそ、美しく見えた。
記憶がない28の私が見たら新しい感覚で楽しめた(?)(いや、怖かった…)。


今の私なら、これは好きな創作だと思えない。

多分、どちらかといえば避ける方の物語でした。

最近はずっと、山田君が(いや山田君じゃなくても全部ですが)肉体的精神的暴力を受ける系のやつは絶対避けてました。
見ません!

もっと日常描写も心理描写も緊急的な描写もある程度現実的で、苦しいことがあったとしても良いこともある。
そんな話が好きです。


中学生だから本作を見れていて、そのうえ好きになれて、
好きだという感情記憶を自分自身に残したのです。これはすごい。


なるほどなぁ、人の受容力って成長するんだなぁ。
そして、私自身の「思い出や記憶が消えやすい」って、ある種才能かもしれないなぁ。


まあとにかく、愛之助くん。
君はこれから、これまでの苦しみを凌駕するほど絶対に幸せになって。どうか!

他のドラマも順次見て行こうと思ってます。
何も覚えていないから。

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