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併走する天使の『手のひら』|楓-adieu

毎日毎日、苦しみと悲嘆に暮れていても仕方ないので、自分のために"すき"をさがすことにしました。
たくさん"すき"を見つけられたら、
未来の自分が前向きになれますように。



だいすきな音楽が、疲れていて聴けなくて途方に暮れていた今日。そのうえ、帰りたかったけれど、部署で自分一人だけ、「理由なく、申し訳ない気がして」残業をしてしまった帰り道。
ようやく音楽が聴きたいと思えました。

2022年12月1日、夜9時。

昨日よりぐんと落ちた気温の中、ぽろぽろと流れ出す前奏で、「ああ、私は音楽を聴くことがすきだ」と、体温に包まれたように心臓があたたかくなりました。

原曲ももちろん素敵ですが、私はadieu(上白石萌歌さん)がカバーした、楓がすきです。


私は音楽の詳しいことはまったく分からない。

けれど、少年のような少女のような、ひとつひとつの詞をてのひらで握って置いてくれるような、のびやかでまるい歌声が素敵だと思う。

あまり、プラスやマイナスどちらの感情にも寄っているようには聞こえないから、
少し俯瞰的にも聞こえる。

だから、歌い手の彼女は主人公ではないように聞こえる。
まるで彼女は、「主人公の気持ちを代わりに歌う、併走する天使なのかもしれない」と勘違いをしだす。
私の気持ちを歌ってるかもしれない!!!!

天使はやさしいです!!!!!


それから、この詞が特にすきです。

風が吹いて飛ばされそうな
軽いタマシイで
他人と同じような幸せを
信じていたのに

これから 傷ついたり 誰か 傷つけても
ああ 僕のままで どこまで届くだろう
楓 / スピッツ

「わかる」からでしょうか。
普遍的感情かもしれないその表現は、「わかる」のです。

人並みになれないひ弱な私もきっと、だれかをいつだって傷つける可能性がある。
それが怖くて、自分が傷つくのも怖くて、何度もありのままの自分でいられなくなった。人を傷つけるような自分は、そのままの自分じゃ許されない気がして、無理をして自分らしさを失っては、満たされないままさらに自分を傷つけて、配慮ができなくなってさらに人を傷つける。

他人が他人のままでいいよと私が思えるように、同じくらいの愛の深さで、自分が自分のままであることを大事にしたい。

この曲は、「自分のままであっていいよ」と教えてくれている気がしました。


そのことを私が忘れそうになったら、またこの曲を聴こう。
今日は穏やかに眠れそうだ。

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