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ばあちゃん達の憩いの場、銭湯が好き。

「ぷは〜」っと体の細胞が弾けて緩む銭湯が好き。もちろん温泉も。
カゴに入った銭湯用シャンプーセットを揃えるくらい好き。ロッカーの鍵は邪魔だから手首ではなく、足首につける。ヘアゴムではなく、体を洗う手ぬぐいで髪を上げてお湯に浸かる。血管を広げるためにちゃんと水風呂にも入る。シャワーのないお風呂もどんとこい。もちろん、恥ずかしがってタオルを体の前に広げながら移動することもない。心構えや所作がそうなるほど通っている。

さて今日は、2ヶ月間休業していたお気に入りの温泉が再開したので、早速行って来た。平日の昼間の客は9割ばあちゃん。人は少なかったけど「久しぶりね〜」なんて声がいろんなとこから聞こえた。ここだけで会うお友達なんだろうな。

ここの露天には猿山がある。
露天風呂の淵にある一段上がった石に座って、半身浴しながらおしゃべりをするばあちゃんの集まりが猿山に見える。最初は頭数が多くてちょっと怖かったんだけど、別に攻撃してくる訳でもないので、「お、今日もいるな〜」って感じで密かに観察している。キャッキャ、ウキャッキャ、長時間楽しそうに話している。大体の会話の内容は、病院・健康・家族・近所の話。銭湯上級者の猿ばあちゃん達は凍らしたペットボトルを持ち込んで、銭湯ライフをカスタムしている。今日はなんとフェイスパックを持ち込んで、半身浴しながらパックしていた。それも4頭。それを見た別コミュニティの猿ばあちゃんは「べっぴんさんになっちゃって〜」なんて声をかけていて楽しそうだった。

ここではないけど、小さい銭湯で洗い場がいっぱいになっていたら、持参したマイマットを敷いて湯船から直接お湯をすくって洗う人もいる。だれもが新たに入って、出て行く人に対して「こんばんは」「おやすみなさい」と挨拶する銭湯もある。地元色が強い銭湯は各々が自由に、快適に過ごしている。

お湯に浸かったあとは更衣室に戻る。着替えたりする合間にもちらちら観察してしまう。だいたいが短髪パーマで、たまにおしゃれな長髪ばあちゃんもいる。ババ色のブラジャーをつけて、股の深いショーツをはいて、その上からババ色の股引。乳の垂れ方、お腹の出方、ふむふむ、私の将来はあんな感じなのね。清掃に入った従業員さんとも顔見知り。「またね〜」なんて声を掛け合いながら出て行く。

病院通いもいいけど、銭湯通いもできるばあちゃんも良いな〜なんて思いながら、ほかほかする湯上がりが最高に気持ちいい。

とりとり

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