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責任をもってくっつける。MNH流・地域商社

MNHの小澤です。

こうして売り出しはじめた「醤油かりんとう」。

当時、多摩地区でコラボレーションする商品企画は目新しかったため、すぐに話題をよびはじめた。多摩地区の情報誌『たまら・び』で、「醤油かりんとう」が取り上げられ、巻頭特集を飾ったりもした。

近藤醸造の社長と中谷製菓の社長のインタビューを手に取り、地域でインパクトのある商品を生み出せたことに、ぼくは胸が高鳴っていた。

「醤油かりんとう」でのコラボは、その後の商品開発にも役だった。

例えば、「澤乃井」という日本酒をつくる小澤酒造さんとコラボした、酒粕のかりんとう。
最初先方は渋っていたが、多摩地域では有名な近藤酒造さんとコラボした実績が奏功し、最終的に商品化した。
地域のなかでの連携に、手ごたえを感じはじめたぼくらは、その後いろいろな味のかりんとうづくりに挑戦していったのだ。


一方、ここにきてぼくらは、ビジネスのひとつのひな形をつくったといえる。

考えてみてほしい。
狭い東京という地にあっても、日常つき合うはずがないであろう、醤油やさんとかりんとうやさん。その2つをあえて結びつけるのだ。

仮にどちらかが思いついたとしても、なかなか実現しない企画だろう。
でも、だからこそ、すごくおもしろい。
そこにぼくらがいる意味があるのだ。


そしてこのわくわくする気持ちこそが、そう、MNHの「地域商社」の原点である。

「地域商社」というと、地域の関係者たちや農家などをつなげ、商品をプロデュースして国内外にどーんと売っていくイメージだが、MNHはちょっと違う。
そこに、“社会課題”をくっつけ、お金以外に、“雇用”も生み出していく。
商品のプロデュースの裏に、地域の若い人たちがやりがいをもって食べていける要素もいれるのだ。
この「醤油かりんとう」も、あきる野市の障がい者がはたらく福祉作業所に、梱包作業をお願いしていた。

また、地域で売ることにもこだわった。「醤油かりんとう」はあきる野市の限定販売。そうすればお土産としての価値が高まり、よく売れるのだ。

こうやって、ぼくらが責任をもって、組み合わて、くっつけて、関係者を増やして…と、狭い地域の話ながら、そのスキームを形づくる試みを、1つずつ地道にしていった。

後にMNHがいう「地域商社モデル」とは、まさにこのような試みからはじまったのだ。




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