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”6万倍に値上がりした松茸”から考える雇用の流動化の必要性

腰が痛い。
最近、ずっと座ってキーボードを叩いている。
もしくは、調べものをしている。
無謀にもビジネス小説に挑戦しているのだ。

お金と経済の話についての本になるのだが、たびたび小物が登場する。
例えば、昔の十円札を取り出して、その価値を考えてみるシーンがある。
というか、あった。
結局カットすることにしたのだけど、せっかくいろいろ考えたので、noteに書いてみることにする。

この十円札、今だといくらの価値があるのか?

こういう昔の札が紹介される時に、必ず、現在の価値に換算していくらになる、という説明が入る。しかし、実際に計算しようとすると一筋ならではいかないのだ。

例えば、100年前の10円がいくらかを考える時には、当時の物価水準を考えることが妥当そうだ。
1920年の一日の食費は35銭、一方の2020年は785円、実に2243倍になっている。
食費から考えると、当時の10円は、現在の2万2430円になる。

しかし、食べ物それぞれで、価格の上がり方が違う。
豆腐は6銭から74円で1233倍
食パンは14銭から191円で1364倍。
砂糖は47銭から213円で453倍。
食堂のカレーは15銭から750円に5000倍になった。

松茸100gは8銭から4800円と、実に6万倍。
おどろくべきは椎茸の価格だ。当時は39銭で松茸より高かった。
今では170円と436倍しか上昇していないのだ。

食料品以外だと、たとえば理髪代は30銭から4000円。13333倍だ。

ここまでは、お金を使う場合を考えてきたが、もらう場合はどうだろうか。
給与所得者の年収はこの100年で、583円から443万円に上がった。
7599倍になっている。

つまり当時の10円紙幣の価値は現在だと7万5990円になる。
食費を使って計算した2万2430円と比べると3倍以上も価値が大きいことになる。

どっちが正しいのか?

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半径1mのお金と経済の話

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お金や経済の話はとっつきにくく難しいですよね。ここでは、身近な話から広げて、お金や経済、社会の仕組みなどについて書いていこうと思います。 …

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