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殺せないけど救えもしない1

(画像は後々話に出てくる最低のGPA成績表)

まず最初に。
知らないだろうから教えてあげるけど、
あなたと私は、誰も変えられないし、誰も救えない。

みんなドラマと漫画の見過ぎで、物語と自分たちの線引きができてない。
私たちの人生に感動的な台本は存在しない。
それらは全て偶然生まれるものであって、期待してはいけない。

これは私があなたに送れる優しさの1つだ。

今死にたいあなたへ、大切な人が死にたいと言っているあなたへ
あの時おかしかった私を「私」としてみてくれた人へ
私の別に大したことはない体験談を送ります。



2018年4月から2020年の2月まで私は、

私は

なんと言えばいいのか、

簡単に言えば鬱病だったわけだが、鬱病を全く知らない人にはこれがどういうことなのか、悲しいかなあまり伝わらない。
「ずっと落ち込んだ状態」とか「食欲がなくなる」とか、そんなんだけではあの状態が人間として、いかにおかしいかが伝わらない。

人によって様々な症状や出来事があるが、具体的に想像してもらいたいので「私の場合」起こったことを挙げていこう。
今の私は自他ともに認める”通常”の状態だから、今から書き連ねることが鬱病によって引き起こされた”異常”であったと確信を持って言える。
私は昔から変わっている(自分ではまともだと思っているが)とは言われるが、あの時は本当に、

ほんとうにおかしかったのだ。





毎日どこでもいつでも涙が出てくるがその涙の訳が分からない、
バスと電車の乗り換えがなぜかできない、
切符もどこにやったかわからない、
そのことを運転手さんに伝えたいのになぜか声が出ない
薬をピルケースに入れて整理しているのに今日飲むべき分を飲んだかわからなくなる、
分からないから2回も3回も飲む、
飲んだと思ってると薬が大量に余る、
処方通りに飲めないから結果が出てこない、副作用がひどい、禁断症状が出る。
病院からの帰り道が分からなくて結局タクシーで帰って、
眠れない、起きれない、なぜか早朝に目が覚めて、
睡眠薬で無理やり眠って今日と明日、昨日の区別をつけて、
痛いと頭がまともになる気がして、でもリスカなんてやったらやばい奴だと思われちゃうからはさみで腕の目立たないとこの皮膚をつまんで切って、吐いて
死にたくて死ぬまで歩き続ければ死ねると思って雨の中裸足で歩いて警察に補導されて、
スーパーから歩いて帰ってたらなぜか足が動かなくなっちゃって、しゃがんで、それでもダメだからもう諦めて道に寝たら近所のおばあさんに救急車を呼ばれて、
こんな私はベッドで寝る資格なんかないやと思って玄関やトイレの床で寝て、
しょっちゅう実家に帰ってたから、朝起きるとここが一人暮らしをしている家なのか実家なのか分からなくなってパニックになって泣き叫んで、
ネットの鬱病診断みたいなのしたら満点並みの高得点たたき出して仲間内でネタにして笑い話にして、
何かしなきゃ何か結果を残さなきゃと思ってバカみたいにタスクを背負いこんで、勝手に潰れて、
起きたら死んでいるために包丁を握って眠って、死ねなくて、
自制心がなくなって一晩でご飯三合を食べて、記憶のない購入品があって、だからいつの間にかお金は無くなって、
食べ物が食べられなくなって毎日ウイダーとかで生きてたら2か月で10キロ痩せて、
授業に行けなくなって、教授に自分の状態を説明するのに全神経を費やして、意味のない単位を取得して、こんなだからGPAとか当たり前に1切って

最後の最後は本当に何をしていいかわからなくて、部屋でウロウロ歩き回ってあんな狭い7.5畳をただ歩き回って、引き出しの中のものを全部ぶちまけて、洗面台で髪をキッチンバサミで切って、
ベッドで横になって天井を眺めて、何かしなきゃいけないことだけは分かっているのに何もできなくて、やり方が分からなくて、

2018年4月から2020年2月までの約2年間、私はそんな私だった。

みんなこんなになってしまった私を助けようとしてくれてるのに
なぜか自分の持っている選択肢だけで人生を進めようとして
無意味に自分に意味を持たせようとして
無暗に人と関わって
無駄に人に期待して
他人が私の存在を認めてくれないと決めつけて
私みたいな異分子が愛されない社会が悪いと決めつけて
誰も私を見てくれないと泣いて
見られるとどうなるの?なんて問いには永遠に答えられずに
お母さんを泣かせて
友達に気を使わせて
お金を無駄にして
大事なものが大事にできなくなって
私が見知らぬとこで死んでしまう前に、これ以上人に迷惑をかける前に、家族がいつのまにかアパートを引き払い、ほぼ強制的に実家に連れ戻された。
大学は後期も始まってて、数日前に学費も引き落とし済みだったから休学処置もできなかった。

失ったものは受験勉強をしてやっとで入った大学の大卒資格、時間、学費・借金合わせて60万近くのお金。





実はこのころは全ての記憶があやふやで思い出せる範囲、後々誰かから聞いた話しか挙げられなかったんだけど。

私の具体例からわかって欲しいことは鬱病は軽度とか重度とか関係なく、本当にまともな状態じゃないということ、少しでも自分と似通った部分があって生きづらいと感じているなら病院に行って治療を始めてもらいたいということ。(それは鬱病以外の精神病の可能性もあるけど。その話は、今度。)

そして精神的な病気のことを何も知らない人は、私の大したことない体験談と拙い言葉から少しでも知識を得て、大切な人(もちろん自分も)がそうなってしまったときにその人を助けることができるようになってほしい。

私たちは誰も変えられないし、救えないかもしれないけど、何もしないなんてこともきっとできないから。


今後はいくつかのテーマに分けて話そうと思う。とても長くなりそうだから。
この後、話したいのは
・どうやって治ったか、そもそもなんで鬱病になったのか、治ってからの私の人生
・鬱病のしくみ(脳的・科学的な視点から)、治療に必要なこと
・私がやばいときそばにいてくれた友人、その後彼が語ったこと
・もう一人そばにいてくれた友人、そして彼女を助けられない私


長くなって時々逸れてしまうこともあるかもしれない、でもずっと私がみんなに伝えたかったことを一生懸命、届くように記すので今後の話も読んでくれたらうれしいです。

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