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福井旅。つながる、歴史と恐竜のまち(紫式部公園・光る君へ 越前大河ドラマ館・福井駅・恐竜博物館・越前大仏をめぐる)

週末にふらっと出かける旅が好きだ。まるで暮らすように長期で滞在する旅にも憧れはあるけれど、現実ばっかり気にするわたしには、週末の一泊二日の旅はとても心地がいい。

そして特に好きなのが、夏の日本海側。冬に行くのはかなりの勇気がいるような豪雪地帯でも、夏なら行きやすい。

信号機が縦だったり、交通情報板にギザギザの屋根のような雪対策がされていると、とてもドキドキする。冬はこのあたり一帯、雪で大変なことになるのだろうな……と、いま目の前の景色をさらに想像して楽しむのが好きだ。


一泊二日、猛暑の週末に福井県に行ってきました。



紫式部が越前を訪れた平安時代、恐竜が地球上をウロウロしていた古生代、新幹線でつながった現代。この場所で、なにが起きていたのだろうかといろんな時間に想いを馳せる、福井旅の記録です。



越前、紫式部のいた時間


福井県、越前市。現在放送されている大河ドラマ『光る君へ』にて、主人公のまひろ(のちの紫式部)が越前守になった父とともに1年半を過ごしたとされている土地。

越前には、「紫式部公園」という公園や、「紫ゆかりの館」という資料館がある。

公園には、金色に輝く紫式部像や、寝殿造の庭園がある。靴を脱げば誰でも入れるため、平安貴族の気分で庭を眺めながら、歌を詠むなんてこともできる。気分は一気に紫式部。

紫式部公園のおそらく裏口。なぜか裏のマイナーな駐車場から入った。「紫ゆかりの館」の駐車場に車を停めると公園も資料館も近そうだったのでそちらがおすすめ。
平安貴族ごっこをしていたら、ものすごい音で発達した雲が近づいてきて焦る。ゲリラ豪雨に打たれる15秒前。

資料館では、なんと「紫式部の間」という空間に紫式部が座っている。生の紫式部、ドキドキした。

紫式部が越前で過ごした日々のこと、『源氏物語』を書くまでのことなどが絵巻風の映像でプロジェクションマッピングされていたり、京から越前に来たときの行列を越前和紙人形で展示していたりと、見どころたっぷりな資料館。きれいだし、涼しい。最高。

紫式部の間。後ろ姿に想像が膨らんで、隙間からぼそぼそ声をかけてしまった。(不審者)

びっくりしたのだけれど、「紫式部公園」も「紫ゆかりの館」も無料で楽しむことができる。なんと、駐車場も無料。どうなってんの?

こんなに楽しませてくれて無料なんてありがたすぎるので、「紫ゆかりの館」にあるこじんまりとしたショップで、紫式部グッズなどのお土産を買って地域経済を回すのがおすすめです。


越前、大河ドラマ『光る君へ』の世界へ。周明ファン集合!


「紫ゆかりの館」から車で5分ほど、武生中央公園「しきぶんぶんミュージアム」にて、「光る君へ 越前 大河ドラマ館」が開催されている。

武生駅からシャトルバスも運行されていて、駐車場も周辺にかなりたくさんあったので車でのアクセスもとても良い。(全然関係ないけど、ミュージアムの横におしゃれすぎる市営の温水プールと、イケイケショップが立ち並ぶエリアがあった。地元の子どもたちが浮き輪持ったまま普通におしゃれスポットでお茶しててすごい光景だった。発展してる、越前……)

大河ドラマ館。入館料600円の価値、めちゃくちゃある。滞在1時間くらいの予定で行ったけれど、もう全然時間が足りない。

出演者の越前編に関するコメント入りのパネルがあったり、衣装を手掛けるデザイナーさんをはじめ、製作に関する熱く細かな愛情がたっぷり伝わってくる展示をじっくり読んで胸熱に。

サイン入りパネル、衣装展示などの撮影OKエリアがあったり、4K映像で越前編の特別コンテンツを見ることができたりと、『光る君へ』ファンにはたまらない空間だと思う。

4Kの特別コンテンツでは、宋の見習い医師・周明を演じた松下 洸平さんのコメントが印象的だった。あのときのあの柔らかな表情も、あのときのあの優しい言葉も、きっと彼にとっては本当の気持ちでもあったのだと、松下さんがそう想って演じたことが知れて、なんだか泣けてしまった。

周明に対する松下さんの向き合い方。ここに書ききれないほどに、本当に素敵なコメントだったので、是非あのコンテンツを見てほしいです。周明ファン必見。

ああ、あのシーン、周明……と胸を熱くできる展示の数々。そんなに広いわけじゃないのに、ドラマファンならすべてを味わうために数時間かかります。


つながり、変わりゆく、越前を感じる


福井といえば、今年3月、新幹線が開通したことで話題になっていた。わたしは東京方面からではないので新幹線を利用してはいなかったけれど、越前にできた新幹線の駅「越前たけふ駅」も訪れてみた。

奥にあるのが駅。駅周辺はまだまだ大規模な開発工事がされていた。めっちゃ雨。
新しい駅。きれい。つながったことへの高揚感を感じた。

駅には道の駅「道の駅 越前たけふ」が併設されていて、地元産の海鮮を食べられるレストラン、直売所などでにぎわっていた。海鮮の直売所では、初めて見る名前のお魚があったり、おむすびの具も「へしこ」だったりとめずらしく、地域性を感じまくる。

なんとこちらも駐車場はいくら停めても無料
新幹線の駅なのに?どうなってんだ越前……


福井市、城下町と恐竜の共存


福井市。福井県で最も栄えている場所。福井駅近のホテルに宿泊し、早朝に駅周辺を散策した。まだ観光客も少なく、ホテルの朝食ビュッフェのためにおなかをすかせる意味でも、かなり有意義な散歩である。

福井駅のまわりは、たくさんの恐竜と、商業施設があった。そして、歩いて数分で突如現れる、歴史的な城跡や神社。

都会と歴史の混在は地方の主要駅周辺でもよく見かける光景だけれど、福井駅は、そこに恐竜がプラスされているのである。このごちゃまぜ感がたまらん。

街中に突如現れる「柴田神社」の鳥居。ビルとビルの間にある。
半信半疑で進むと本当に神社があって、柴田勝家が座っている。
福井駅前。恐竜さんたちがそこら中にいる。恐竜さんたちは9時~17時が定時らしく、稼働時間になると動きはじめるとのこと。
こちらも駅前の恐竜さん。恐竜×サイゼという異色の組み合わせを楽しむことができる。


「福井県立恐竜博物館」、恐竜は絶滅していないことを知る


福井と言えば、恐竜博物館。想像以上のスケールで、展示がありすぎてどこからどう見ればいいのやら、と駆け足で進んでも数時間かかる博物館だった。

たくさん子どもたちが来ていたけれど、みんな写真を撮る以外でスマホを見ずに、化石や骨格標本を見て必死になにかを想像している様子が眩しかった。大人も負けていられない。けれど、出口にたどり着いたときには足がガクガクになっていて情けない……


3階の入口から入り、巨大エスカレーターで一気に地下1階まで。この古代へ潜っていくワクワク感がたまらなかった。
化石がお出迎え。「恐竜」という存在にあらためて得体の知れなさを感じ始める不思議な心境。
と、顔を上げたら、いる、恐竜が……
わー!いた!恐竜!
騒いでいたら吠えられる。めっちゃなめらかに動いていて感動するし、ファンサをもらえた気がする。(周りの人みんな言っていた)
大きなドーム内に所狭しと並んだ標本。響く恐竜の鳴き声。異空間。
新館もできていた。こんなすごいのに、まだ進化しようとしている博物館の底知れぬ気合いを感じた。


福井旅に行った人みんな言うと思うけど、わたしも言いますね。

恐竜博物館、福井に訪れたら絶対に行った方がいいです。

恐竜は絶滅していない。博物館に入る前と出たあとで、空を自由に飛び回る鳥の姿を見て想う気持ちがガラリと変わります。

ていうか、この見ごたえで入館料1,000円って安すぎん?と福井で何度目かの衝撃を受けてしまった……入館料が破格すぎるので、みなさんショップでたくさんグッズを買いましょう。

※入場券は入場時間指定なので、事前のネット予約がおすすめ。予約しておくとQRコードでスムーズに、ほぼ並ばず入れる。入ってから果てしなく展示があって時間が足りなくなるので、入るときに並ぶのは本当に避けた方がいいと思う。事前予約して並ばずに入ろう。


越前大仏、異世界に迷いこむ体験


大仏があるらしい!ちょっと行ってみよう!と軽い気持ちで向かった越前大仏。勝山市の大師山清大寺にあり、タクシー事業で大成功した地元出身の実業家・多田清さんがいまから37年前に建立したとのこと。大成功した実業家が大仏を作ったって、バブリーエピソードすぎないか……

この清大寺がもう、異世界すぎた。これを書いている今も、「もしかすると夢だったのか?」と思うほどの世界に紛れ込んでしまった。なんだか不思議な体験をした。

入口から大仏殿に向かうまでの門前町。
駐車場にはたくさんの車がいたのに、ここだけなぜか人がいなくて、異世界感がすごい。
ひとっこひとりいなくて、静かすぎて立ち尽くす。
これ、空いてる店でご飯食べたら豚になるやつ?モルタル製?
受付でようやく人に出会う。拝観料は500円。
入るとさらなる異世界への入り口が。ところでなんでこんなに人がいないの?
奥に進むと、大仏殿が。もうここは日本じゃない……
大仏!17m!デカ
そして大仏殿の壁には圧巻の大仏マンションが。
1200体を超える小仏群らしい。アメイジング……
五重塔から見える大仏殿。
五重塔には4階までエレベーターでも上がることができる。
五重塔から見える門前町。ビッグスケールすぎますて……


すべてにおいて規格外に大きい。日本の福井県にいることを忘れてしまうような、いや、でもだからってここはどこかと聞かれたら分からないような、異世界に紛れ込んだ気持ちだった。なんかとにかく頭がぼーっとしていて細かいことを覚えていない。夢だったのか、猛暑日だったからだろうか……


今しか味わえない、つながった福井の活気


日本海側が好きだ。とか言いつつ、東尋坊にすら行っていない、まったく海側に行っていない旅だった。それでも二日間、みちみちに楽しんだ。

平安時代に想いを馳せて、素晴らしいドラマの裏側に胸を熱くし、人類が発生するよりも前に生きていた恐竜の姿を想像し、大仏の規格外のスケールにおどろく。五感を使って、楽しんだ旅だった。

新幹線で物理的につながったことでの街の活気もすごかった。こんなに魅力があるんだよ、と全力で街が教えてくれていた。あの活気は、いましか味わえないものかもしれない。つながるって、すごいことなんだなあ。

夏の北陸・福井旅、おすすめです!


おまけ!グルメの写真を撮ることが今後の課題


福井県、観光も楽しいけれど、食事も楽しい。地元の海鮮、B級グルメ、ご当地の和菓子……たくさん食べたのにグルメの写真が3枚しかないという恐怖の失態です。奇跡の3枚をおまけで載せるので見てください。

道の駅で食べたアジフライ!衣サクサク、アジふわふわ。(右側、一口食べてますね)
「越前そば処 勝食」さんのソースカツ丼。
ジャンク感あふれるお味とカツの柔らかさがクセになる一品。
お店も落ち着く雰囲気で、また訪れたいお店。
福井の南条SA下り線・杉津PA上り線には
海老名SA下り線の名物「海老名メロンパン」が売っているのです!

海老名上りですら売っていないのに、福井県で売っている。
嬉しいけど、なんで??



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