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写真詩集

57
スマホで撮った写真+言葉
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#写真と詩と

優しい人

沈黙を続ける言葉
滑り落ちていく時間
終わろうとしている
恋のあと先

優しい人を好きになった
冷たい 私

5月の吉日

愛したかった
愛されたかった

どんな私でも
どんなあなたでも

晴れた5月の吉日
忘れたさよならの仕方

そのうち

並べられた
黄色と赤
緑の隙間を通る風は
少し冷たい

いつも思い浮かべるいつか、は
どこか優しくて
意味を探す私を
はっとさせる

元気ならいいよ
元気ならそれでいいんだ

そのうち
手紙を書くよ

呼吸

忘れられた誰かの一日
思い出を開けるはずの鍵
それでも
呼吸を
続けて
続けて

白と黒で切り取った世界
あなたがいなくとも
私がいなくとも
世界は回る

そんな当たり前の片隅
今日も生きて
息をする

探す

空の隙間
あの日の記憶
雲に隠れて
見えない何かを
探して
探しては

もう一度
君に
会えるだろうか

日々の幸福

笑って
泣いて
怒って
叱って

哀しくとも
嬉しくとも

ねえ、どうする
どこに行こうか

繰り返される
日々の幸福

穏やかな幸福

カフェオレとアイスティー
朝の冷たさ
流れる時間

穏やかな幸福
優しいまま
手を繋いで

明日へ
明日も

たった少しの寂しさ

迷子になった言葉や感情が
流れ着く場所は、どこ

街灯が明るすぎて
見つけられたのは
あの月だけだった

届けたかった
届かなかった
たった少しの
寂しさも

雨の日

濡れた肩
冷えた優しさ
温めもせずに
今日の輪郭を
指でなぞる

窓を伝う雨を
ずっと
眺めていた

あなたに
伝えるはずの言葉を
持て余したまま

ずっと
ずっと

忘れて

友達以上恋人未満
あなたの背中が遠くて
あなたの背中に触れたくて

それでも
あの日の告白は
どうか忘れて

おとぎ話は終わったの

途中

まだ夢の途中
あと少し
もう少し

だから
まだ
好きだと言わないで

待って
待って
もう少し
あと少し

空席

忘れられた約束
ひとりきりの涙

少し思い出して泣いて
少し思い出して笑って

あの痛みも
あの涙も
今はもう友達

私のための空席

決断

まるで
夜を忘れたような空でした
秘密の話すら
簡単に
打ち明けてしまいそうな夜でした

泣いた日々も
傷つけあった日々も
抱き合った日々も
もう、遠い記憶

さようなら、と呟いて
前を向くための夜でした

九月の晴天

上手くなったのは
涙の誤魔化し方で
上手な甘え方は
もう、忘れてしまった

広がる雲を眺めては
あなたの背中ばかり
思いだしている

あなたの横顔ばかり
思いだしている