小説のはなし3-瓶詰地獄-

こんにちは。
私は度々近くの大学の読書会に参加しているのですが、それの次の読み物が、夢野久作の『瓶詰地獄』になりました。
青空文庫にあるので是非読んでみてください。7分くらいで読めます。

この作品も夢久も知らなかったので、いい機会に知ることができました。かなり作品数の多い作家みたいですね。

この作品について軽く調べてみましたが、みんなこぞって「矛盾点がある」と言います。
実際、そうなのかはこれから読んでいく時にわかりますが、まあそれが本当に矛盾点なのか、「わざとミスリードさせてるのか」って話ですよね。
でもちゃんとした作家が意図なしに矛盾を生じさせるか、と言ったら、そんな適当なことはしないでしょう。
あと、人によって読み方を変えさせているって結論も…どうでしょうね。だって、芸術ってそういうものですからね。どんな小説だって絵画だって感じ方は十人十色。むしろみんなの意見が完全一致するようなものを生み出すほうが難しいです。そんなのコミュニケーションの達人です。

まあそれはさておき
本文の話に戻ると、これはとにかく、兄(もしくは兄弟)がなんらかの罪の意識にさいなまれてるって内容になります。
それで元ネタの一部は完全にアダムとイヴの話ですね。悪魔って言っているし。
そういえばタイトルの『瓶詰地獄』って何でしょう。だって普通に考えたら、無人島きて無病で暮らせるってむしろ天国じゃないですか。法もあるわけじゃないし…兄弟間で何があっても咎められませんからね。
兄弟でなんか“やっちゃった”感匂わせてますけど…。
多くの人の指摘したとおり、兄弟は聖書のおかげで文章が巧くなりすぎです。それになぞらえて、聖書のおかげで地獄や罪の意識などの思想を持ったとも考えられます。
ここらへんが、2人が大人じゃなく成長過程の子供じゃなきゃいけない理由なのかもしれませんね。
あと個人的に、ウミガメ親じゃなくてウミガメの卵を食べちゃうほうが罪深い…。と思いました。笑

ここまでたくさん読まれてるのに謎が解かれないって、すごいですよね。
だけど、作家は自分の言葉よりも以上にうまく説明してくれる読者を待ち望んでいるかもしれません。
本を買われるよりも、本を読まれることのほうがずっと作家にとって良いことだと思うので、是非たくさん本を読んでいきましょう!
※もちろん買われることが最も重要だと考える作家もいるでしょう。笑

ということで、今回は以上になります。
読んでくださってありがとうございます。
そのうち私も短編小説なんかを投稿しようと考えているので、素人短編大好きな人は必見です。

ではまた次回。

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