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短編小説

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2020年12月の記事一覧

掌編小説『縁側』

掌編小説『縁側』

私の家の庭には花壇があった。
その花壇には、色も高さも違う花が並んでいて、今はひまわりが太陽に向かって咲いている。私は縁側から、その花壇の塀の向こうから聞こえる子供達の声を聞いていた。
 するとお母さんが、居間から縁側を横切って、使い古したサンダルを足に引っ掛けながら、花壇の方へ歩いていく。

それから、空に伸びるひまわりの茎をちょきん、とハサミで切った。
それは少しもったいないような気がした。

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