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あなぐま
2020年5月6日 04:16
人とほとんど関わらない生活を送っていたら、すっかり気難しくなってしまった。床に入ってはみるものの結局眠れず、隣家の住人が起き出してくるころ、ようやく眠りにつく。夜中の静けさに甘えて、他人のあらを探したり、昔のことを思い出したりしているうちに、鳥の声が聞こえてきてしまうのである。まあ、何か考えているのなら、書いて残しておくのも悪くないだろう。こういうものが続いたためしがないので、気の
2020年5月14日 20:26
80過ぎた祖母から聞いた昔話。祖母が結婚して間もなくのころ、夜道を歩いていると、向かいから腰の曲がった老婆が歩いてきた。老婆は大きな風呂敷包みを背負って、ゆっくりゆっくり歩いてくる。祖母はそれを見てすぐに「あら、人形を売っている人だわ」と思った。そこで老婆を呼び止めて、「それ、ください」と言った。老婆が背負っていた風呂敷包みは、やはり人形であった。祖母はガラスのケースに入った日本人形を、3