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ナミビアの経済格差を感じた日。

南西アフリカに位置するナミビア共和国にやってきてはや2週間。

1991年に独立したばかりですが、ナミビアは途上国とは言わず、「中進国」に当たります。

首都Windhoek市内を見渡すと、かつてドイツの植民地時代に建てられたおしゃれな建物もたくさんあり、道路もきれいに舗装されており、アフリカに来たという印象はあまり感じません。電気、水道などインフラ面も整っており、住みやすい環境です。

街全体の様子


お金持ちの白人も多く住み、発展しているように思えますが、国全体、首都全体がそうではないことがわかってきました。
首都Windhoekの北部に位置する、Katutura地区に行く機会があったので、紹介します。

名前の意味

ここは、1950年代に、市と南アフリカの植民地行政が、一部の住民たちを強制移住させたことから始まり、退いた人たちがヘレロ語で「人々が住みたくない場所」という意味の”Katutura”と名付けたそうです。
この土地は自治体のもので、黒人は自治体に家賃を払わないといなかったり、街の職場に行くためにはバスが必要だったり、いろいろなことが重なり、経済的に不利になっていったとのこと。

Katutura地域の様子

実際に行ってみると、Katuturaの中でもかなりの格差があり、小さいけれど電気水道も通っていて、普通に生活できそうな家もあれば、雨風を凌ぐだけの電気も水道もないコンテナのような家がたくさんある地域もありました。

窓もないからきっと暑いし、床もないから家の中が坂になっていたり石があったり。真ん中に共用トイレや水道があるそう。

水道に水汲みに来てる女性

とにかくかなり広くて、スーパーがある地域もあり、家の大きさや作りも全然違い、Katuturaの中でも格差がある様子。今も、首都へ仕事や安定を求めてやってきた人が、上手く行かなくてそこに住み着くようになるらしく、どんどん地域が広がり、人口も増えているのだとか。

NPO団体

そんなKatuturaの人たちを支援するNPOの団体(SOS)があり、そこの方たちに話を聞いたり、案内してもらいました。

Children's Village Windhoek

様々な理由(ネグレクト、虐待、親が亡くなる等)で親元を離れた子たちのための寮があるのだとか。
愛情を持って育てられ、学校にも通っています。

ナミビアの課題

平均的な兄弟(1家族につき)の人数は8人。他の街に比べてかなり多いです。きちんとした教育を受けられないので、家族計画などがわからないからとのことでした。家族の人数が多いと、経済的な面でも苦しいのだと思います。

失業率は80%だそうで、そのため首都では犯罪(強盗、空き巣、ひったくり等)も多いこともこの国の課題の一つです。
HIV/AIDSの感染率も非常に高く、ナミビアの大人・子どもの死因の1位になっているそう。性教育等、改めて教育の大切さも感じました。学校はたくさんありましたが、どういう教育がなされているのかはわからなかったので、また機会があれば行ってみたいと思います。

どうやって生計を立てているか

人々は、スーパーで自分で買ったものを小分けにして売ったり、車を洗うサービスを提供したり、何かしらの商売をして生計を立てている様子でした。お店は多いけど、お客さんがおらず、需要と供給が一致してないのでは?という印象でした。その日暮らすのに精一杯という人も多そうです。

道端のマーケットの様子


最後に


Katutura地区は、この国のことを知る上で見逃しては行けない存在だと感じました。この国の経済格差をどうにかしたいと思いつつ、どうすればいいのか自分には何ができるかわかりません。まだまだ自分自身、この国について勉強中です。まずは知ることから、そして今後教育の面で何か少しでも力になれればと思います。

いよいよ明日は任地”Omaruru”へ出発。まずは、自分の街のこと、人々のことを知ることから始めたいです。

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