梅雨明けのある日
梅雨明けとは名ばかりの、いつ雨を降らせるかもわからぬ空は期待を抱いて走り出した私たちを見守っているようだった。
白で覆われた空は時おり青を見せる。
それに気づくと静かに微笑んだ。
独特の蒸し暑さがうなじを濡らす。
まだこの季節だということにこれから先に待ち受けている本格的な暑さを思いやられる。
この暑さに対する不快感こそ生きている証拠だろうか。
そんなことは他所に目的地にたどり着く。
急遽決まったこの目的地こそ微笑みを作る場所。
微笑みを横で私はこの曖昧な関係性を楽しんでいる。
無知な歴史の一片と芸術に一通り触れた私たちは、微笑みからこぼれる愚痴とも取れる思いをエンジンに走り出す。
近いのか遠いのか分からない私たち。
ピリオドはまだ打たない。
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