私が「大勝ち」するまで。4
この面接、もらった。
そう確信した。
4人いるうち、私以外の3人は面接自体初めて。
初めての上に、こんなペラペラ“いかにも”なことを話す奴が一緒なんだから、3人は圧倒されたに違いない。この言い方は自分でもめちゃくちゃムカつくと思う。でも間違いなくそうだったから謙遜はしない。
3人が、ペラペラ9.5割盛ったガクチカを喋る私を、「すごいなあ」と、いう顔でみていた。
と、同時に「嘘だろ、どうせ」と、いう表情がその中には僅かに、でも確実に見てとれた。
あの大敗した面接の、その時の自分が3人に重なった。
でも、ごめんな、これが就活なのさ。
就活において、集団面接というのは効率よく学生をさばける手段だから、用いてる企業も多い。
個人面接というのは、実に面接官の負担が多い選考スタイルだ。
今日初めて出会った学生を相手に、その人のバックグラウンドも生き方も何も知らないまま、彼らの短所、長所を見抜き、困難をどう乗り越え、自分からどんなアクションを起こしてきたのか、そういうことを20分から1時間の限られた時間の中で理解しなければならない。
21年間ほぼ毎日一緒にいる両親や兄弟のことも完全に理解できないというのに、
たった20分で、初対面の人間の何が分かるというのか。
しかも、そいつの口から出てくるのは9.5割が嘘かもしれないのに。
話が脱線したが、その点において集団面接は実に効率的だ。
比較対象がいるから。
その人のことを完全に理解できなくても問題ない。
ただ4人か5人か、その中から、『悪くない1人』を選べばいいのだから。
4人のうち1番元気と度胸があって、笑顔で、焦らずしっかり会話ができて、他の人の話を頷いて聞くことができる人。
なんだ、簡単じゃん。私にも(俺にも)できるわ。
そう思うかもしれない。
でも世間には、意外とこれができない人間が多い。
就活初期ならば特に。
私は4人の中で一番『悪く』なかった。
ただそれだけのことだ。
次に進ませる権利を与えるのに、1番『マシ』な奴だった。
私のやってきたことがすごいとか、人間性がすごいとか、そういうのでは全くない。
このようにして、ノリに乗った私は5月〜12月にかけて様々なインターンの選考を受け(といってもそこまで多くはないが)確実にESと面接のテクニックを身につけていった。
本日はここまで。暑いので皆さん水分補給をお忘れなく。
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