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冷たい風




年明けに起きたことについての関連エピソードを。


詳細はこちらです↓


娘と夫と相談の上、起こった出来事を担任の先生へお伝えしておく事にした。


どうして学校へ?と思われたかもしれないが、娘へDMを送ってきた相手は、娘と同じ学校の生徒だと思われるアカウントを複数フォローし、相互フォローとなっており、被害者が他にも居るかもしれない、被害者が増えてしまうかもしれない、という危惧があったから。

そして必要に応じて、心に傷を負ったであろう娘の精神的なケアへの理解と協力を得たかったから。


学校を休み、警察署へ相談に行ったその日の午後、学校へ連絡し、出来事とともに上記の事をお伝えし、翌日学校で私と面談をしていただいた。

学校カウンセラーとのカウンセリングや保健室などを利用しながら、安心して落ち着いて過ごせるようにとの担任の言葉に安堵し、相談して良かった、と思いながら帰宅した数時間後、学校から連絡があった。


「申し訳ないが、明日また娘様と来校していただきたい。詳しい話はその時にお伝えします。」



そんな内容の連絡。


担任の先生の声色は、面談の時よりかやや堅く機械的な印象で、それが私の不安を煽った。


どういった内容なのかを問うが、話せない、としか答えてもらえない。

仕方ないので、娘の送ってしまった画像や動画の内容についての事実確認のような事はして欲しくない事、娘自身は「性被害に遭った」という認識までには至っておらず、そこを強調しないで欲しいという事、娘がこれ以上自分自身を責めてしまうような話は避けたい事をお願いした。



翌日、娘と共に学校へ。

案内された面談室で待つと、担任の先生以外に、生徒指導の先生、教頭先生がいらした。




「今回、SNSの不正利用がありましたので、謹慎処分となります。_______」

突然の宣告に、私の頭は真っ白になった。


...不正利用?

...謹慎?


呆然としながら、しばらく事務的な説明を聞いていた。


どうやら、謹慎処分が妥当ではあるが、初犯なので(初犯とは言われていない、きっと初回、だったと思うが、私には初犯と聞こえた)、反省文を書くために登校し、反省が見られたら通常登校に切り替える、という対応となる、という話がなされた。



私は言葉を失った。

「何かご質問などありますか?」

そう問われたが、何をどう、言葉にして良いのかわからなかった。


ただ、ただ泣くことしか出来なかった。



生徒指導の先生と教頭先生が去り、担任の先生と私と娘でしばらく部屋に残り、明日からの具体的なスケジュールについて説明を受けた。


少しずつ気持ちが落ち着いてきて、私の頭の中に言いたいことが山のように溢れてくる。


でも何を言ったところで状況は変わらないんだろう。


そう思うと、ここで感情的な気持ちを吐いても何ひとつ良い事はないだろう。



「期待していた対応とかなり違ったので残念に思いました」


担任の先生にそう一言だけ伝えて、娘と学校を後にした。



帰り道、

「私が犯罪者みたいだね。」

そう呟いた娘に何と返して良いのかわからずに、黙ったまま手を繋いだ。


「悪いのは相手だよ。」

しばらくして、そう答えて、なんとかしてこの状況を少しでも前向きに捉えて欲しくて、こう言葉を続けた。


「でも悪い人から自分を守る術を学んでいかなきゃいけないから、先生たちはこれをきっかけに、それを学んで欲しいんだと思うよ。」

「形式的にはああいう表現だけど、その意味は落ち着いて学んで成長する時間を取りましょう、ってことだよ。」


娘は私の言葉を、解るような解らないようなといった表情をしながら聞いていた。


「早く友達に会いたい。早く普通に学校行きたいな。」


娘から彼女なりの前向きな言葉が出てきて、ホッとした。



その日の夜、色々と押し殺した感情が爆発して、枕に顔を付けて号泣した。


こんなに声を押し殺して泣いたのも、しゃくりあげるような泣き方をしたのも、初めてだった。


冷静になって出来事を振り返りながらnoteを書いている今も、まだモヤモヤとした気持ちが残る。


反省し、学校に謝罪をしないといけないのは何故なんだろう。そう思いながら、娘の書いた反省文に、親のコメントとして私も謝罪の言葉を書いた。

そして誓約書を書き、署名をした。




私たちに傷を負わせた相手は、どこで何をしているんだろう。

不幸になって欲しいとは思わないけれど、彼こそ自分の過ちに気付き、他の人へ同じ悲しみを味わせるようなことをせずに、真っ当な生活を送っていて欲しい。


この出来事は、色々な意味で私たちにとって大きな学びになったことは確かだ。



自分の味方であり、自分を大切にし、自分を守れるのは自分しかいない。



薄氷の上を歩く私たちに冷たい風が吹きつけた。
そんな出来事だった。


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