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お医者さん選び:NZ事情

こちらの生活にも徐々に慣れて、もう一つやらねばならなかった課題がお医者さん選び。今日はこれについて備忘録として記したい。

こちらの医療システムは日本のそれとちょっと違う。端的に言うと、日本のシステムは素晴らしいと思う。まず、すぐ専門医のお医者さんにかかれるということは何より特筆すべき。目がシバシバするな、と思ったらすぐ眼科の先生へ。肌にできものができたら皮膚科へ、喉の痛みだったら内科という選択肢もあり咽喉科の先生に診てもらうこともできる。涙が出るほど素晴らしい〜!NZへ移住する中でこちらへの医療システムへの不安が一番あったかも。特に私たちのようにある一定の年齢になってからは。

で、こちらでは、かかりつけ医システム(family doctorともGeneral Practitionerともいう)なので、内科を基本としてちょっとした外科の処置も行うというかかりつけ医を見つけて登録しておくことが基本。これは具合が悪くなったから、近所のお医者さんに行けるという気軽な日本と違い、事前に自分のかかりつけ医を「決めておく」必要がある。

なので、今日は近くのクリニックのウェブサイトにいき、自分のかかりつけ医となる人を登録した。私が登録したクリニックにはお医者さんが9人いて、それぞれのお医者さんの名前・写真・専門(と言っても先述ほど日本ほど専門化されてない)・経歴・治療方針を読んで、その中から自分の気に入った人を登録申請するという仕組み。私は女医さんがよくて(さすが男女の格差が少ないNZなので半分は女医さんなのでなのでこれは問題なし)、そのあとは、そのお医者さんの経歴や治療方針でフィーリングが合いそう、と思う人を選ぶ。お医者さんの中には、忙しくてもう新規の患者さんを受け入れていない人も二人いる。だから実質9人マイナス2人の、7人から選ぶことになった。

一人治療方針の良さそうなNZ人の女医さんがいたけど、まだ20代と若い。たくさん勉強して知識はあるだろうけど、60代の私のことを主観的にわかってくれるだろうか?もう一人イギリス人の女性で良さそうな人もいたけど、子供4人います、と書かれてたので、やはり忙しいやろう、と思いやめにした(どのお医者さんも家族構成や趣味も書いていた。日本とは違うね。4人の子供のママだから忙しそうでやめるというのは、女性蔑視なのだろうかと気にしつつ)。結局、中年らしき中国系の女医さんにすることにした。こちらはアジア系の移民が多いので、お医者さんもアジア系の人が多い。国は違えど、人種が同じ、というのは私にとってはなんとなくポイント高め。

どのお医者さんにも共通しているのは、patient-centered(患者中心である医療)が大切、患者の言うことに耳を傾けることが医師として大切、と書いていること。これはすごくありがたい。最近、日本では「患者さま」と言うらしいが、ビジネス的でなんとなく違和感あるそれとは異なり、医師・患者の対等な関係がありがたい。そして先述のように必ず家族構成やペット、その人の出身国や趣味など(サーフィンします、DIYします、など)まで書かれてて、「人間味」が感じられるのはいいな、と思う。

ということで、どっか悪くなったら、この女医さんにかかり、このお医者さんが専門医(大病院にしか存在しない)にかかる必要あり、と思ったら紹介状を書いてもらい受診するシステムだから、日本のように早く専門医にかかれない。その上、その順番待ちといったらすごい。もちろん命に関わるような状態ならすぐ診察(というか手術レベル?)してもらえるけど、そうでなければ何ヶ月待ち、なんてのはザラらしい。

白内障とか軽い症状の病気とかだったら、日本に帰って診てもらおうかな、なんて思ってる。歯医者さんも緊急でなければ日本に帰って、お気に入りの先生に診てもらいたい。

日本の平均寿命が高いのは、もちろん食生活や生活習慣などによるものもの多いと思うけど、それ以外の要因もあると思う。日本の職場では必ず健康診断を受けなければいけなかった。面倒くさいな、と思いつつ、大病を見逃さない、早めに検知すると言う意味では大きな役割を果たしていたんだよね。人間ドックなるものを受ける人の割合も高いし。こちらでは職場でそんなことはない(知る限り)。以前、日本の大学で、アメリカ人の同僚が職場が健康診断を受けさせるのは謁見行為だ!とすごく怒っていたのを覚えてる。「変なこと言う人やな」くらいに思っていたけど、たまたま弟と話してたら、アメリカはもし職場が従業員の健康データを手にいれ、その人の健康状態が良くないことを察知したら、解雇できる社会だからだよ、と教えてくれた(そんなこともわからない姉でごめんなさい、苦笑)。確かにそうだよね。日本は私の知る限りそんなことで解雇される心配もないし、検査でひっかかってもさらに検査してもらえるようなシステムが整ってる。

結論から言うと、日本のシステムはありがたいほど素晴らしい。こっちに来たら、よっぽどのことがない限り病気になれないぞ!と決意を新たにするのでした、苦笑。

注:タイトルのお写真は、にゃむさんの「きっかけは、2人のドクター」を使わせていただきました。ありがとうございます。


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