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なぜなぜの木 きになる実の話 トイレと御手洗いの話

焼肉屋さんでバイトしていたときのこと。席を立ち彷徨うお客さまに「トイレはこちらです!」と元気よく伝えたら、御手洗いと言ってくれと注意されたことがあった。

この出来事以来、トイレのことは「御手洗い」と呼ぶよう気をつけているが、この「御手洗い」という言葉は何故品が良く聞こえるのか。今回は、参考資料なしで「御手洗い」について考察したい。

※妄言・想像を大いに含みます。あしからず。

御手洗いは「うた」?

「御手洗い」は響きが良くて「トイレ」は響きが悪いのは、その言葉が指すものに拠ると思う。

後者の「トイレ」はいうまでもなく排泄する場所そのものである。想起されるのは決して綺麗とはいい切れない空間であり、多少の不潔なイメージがまとわりついている。
一方で前者の「御手洗い」は、手を洗う場所である。想起されるのは比較的綺麗な生活空間であり、トイレのこととわかっていてもそこそこ綺麗なイメージがある。

ここで注目したいのが「トイレ」でする排泄行為のあとには必ず「手を洗う」という行為がセットになっているということだ。その「手を洗う」という行為を「御手洗い」という言葉で想起させ、その前の行為の内容から目を逸らさせながら示すことが、いかにも日本らしい表現だと思う。「月が綺麗ですね」が 「I love you」を意味するような、心の内側を景色に喩えるような、「御手洗い」はそんな「うた」のような表現だ。

誰が「御手洗い」と言い出したのか

「御手洗い」の起源を想像してみるのも面白い。
そもそもの言い出しっぺは誰なのか。どのタイミングでその言葉が生まれ、流行ったのか。
厠に行きたかったけれど羞恥心が邪魔をしてなかなか言い出せなかった誰かさんなのか、尋ねてきた目上の方にその場で機転をきかせて厠やトイレではない呼び方を考えた気の利く下っ端なのか。「どこに行ってきたの?」なんて聞かれて「ちょっと手を洗いに」なんて言って誤魔化した誰かの友達なのか。

SNSもない時代にゆったりと流行った粋な呼び方の根源を想像してみると、意外と身近に思えてワクワクする。

まとめ

今回は完全に想像だけで考えてみた。本当の由来は知らないが、とりあえず想像してみると楽しいんだと気づくことができた。

これを読んでくれた皆さんも、ちょっとした疑問や気付きについて考えてみるとちょっと楽しい…かも?

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