楽天・辰己涼介、1イニング2本塁打

東北楽天ゴールデンイーグルスの辰巳涼介(25歳)が交流戦最終戦となった6月12日の本拠地・楽天生命パークでの読売ジャイアンツ戦で打棒を爆発させた。

辰己は「6番・センター」で先発出場すると、まず2回1死走者なしで迎えた第1打席、巨人先発の山崎伊織と対戦し、カウント3-1から、山崎の内角141キロ直球を捉え、右翼席中段へ今季4号となる先制ソロホームラン。
その後、楽天は山崎をKOし、6-0で迎えた2死一、二塁でこの回、辰己に2度目の打席が廻ると、巨人2番手の鍵谷陽平と対戦し、カウント2-1から、鍵谷が投じた内角への142キロ直球を右中間スタンドに運び、トドメの今季5号3ランホームラン。
楽天はこの回、一挙9点を挙げたが、そのうち辰己が4打点を挙げた。

試合はそのまま楽天が逃げ切り、9-2で勝利。
楽天先発・則本昂大は7回2失点の好投で今季4勝目を挙げて、NPB史上141人目となる通算100勝を挙げた。

試合後のヒーローインタビューで、辰己は
「則本さんの200勝に向けて、僕もサポートできるよう頑張ります」
と語った。

NPBで1イニング2本塁打を記録したのは、辰己が21人目、23度目の快挙である。

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辰己は2018年ドラフト1位で楽天に入団しており、2019年のデビュー以来、これが通算26本目・27本目の本塁打だが、数々のメモリアルアーチを記録している。

・2019年6月13日の対広島東洋カープ戦(楽天生命パーク)の5回、辰巳がシーズン2号本塁打を放ち、楽天は球団新記録となる1試合7本塁打を記録。

・2019年9月3日の対ソフトバンク戦(福岡ヤフオク!ドーム)、8回裏に、ソフトバンクの高橋礼から「7番・センター」の辰己がシーズン3号ソロホームランを放つと、「8番・ライト」の小郷裕哉(2018年ドラフト2位)がプロ初ホームランを放って、2者連続本塁打を記録した。
新人の2者連続本塁打は、1989年9月11日に中日ドラゴンズ対ヤクルト戦(ナゴヤ球場)の3回裏、中日の6番・大豊泰昭(1988年ドラフト2位)と7番・山口幸司(1998年ドラフト3位)が記録して以来となり、ドラフト制導入後(1966年シーズン以降)では史上2度目。

・2021年の開幕戦となる3月26日の対北海道日本ハムファイターズ戦(楽天生命パーク宮城)に辰己は「1番・センター」で先発出場。
1回裏の最初の打席で日本ハム先発・上沢直之の投じた初球を打ち、左翼スタンドにホームラン。
「開幕戦での初回先頭打者本塁打」は、楽天球団史上初めてで、NPBでは2011年の阪神・マット・マートン(1回裏)以来、10年ぶり史上19本目。パ・リーグでは2000年のダイエー・秋山幸二(1回裏)以来、21年ぶり9本目。
さらに、初球を打ったため、2007年の巨人・高橋由伸(1回表)以来14年ぶり、NPB史上5人目となる「開幕戦初回先頭打者初球本塁打」を記録した。
(1回裏では1970年のロッテ・山崎裕之以来、51年ぶり3本目)

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辰己はプロ3年目の昨年、130試合に出場して、初めて規定打席にも到達、10本塁打で初の二桁本塁打を記録し、楽天の外野手として初となるゴールデングラブ賞を受賞した。
守備範囲、強肩は折り紙付きだが、規定打席到達者の中で打率.225はリーグ最下位であった。
本人は「守備の人とは言われたくない」と打力向上を誓い、今季はここまで「投高打低」と言われる中、打率.271でリーグ8位につけている。ホームランも昨季を上回るペースでキャリアハイの更新が見えてきた。

次もバットで「球団初」の称号を手にして、打撃開眼への道を切り拓きたい。

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