「肉食者は菜食者より骨折率が高い」の真相
【骨折率と食べ物の相関関係】
✔️【反論〈オックスフォード大学の研究〉】
ではカウンターとして、2020年11月のBMC Medicineに載ったオックスフォード大学のコホート研究を紹介したいと思います。
肉食の人(2万9380人)、魚を食べる人(8037人)、ベジタリアン(1万5499人)、ヴィーガン(1982人)の4郡を比較し、病院の記録や死亡証明書などを基に6~23年間追跡しました。
肉食郡を「1」として、股関節骨折のリスクを比べた結果、ヴィーガン郡が2.31、魚郡が1.26、ベジタリアン郡が1.25。
また、足の骨折リスクは、ヴィーガン郡が2.05、魚郡が1.07、ベジタリアン郡が1.01。
ヴィーガン郡は肉食郡より、骨折率が2倍も高かったというわけなのです。
どちらもランダム化比較試験ではないので、相関関係にすぎません。
決定打に欠ける点はありますが、私はオックスフォード大学の研究に軍配を上げるべきだと思います。
【怪しすぎる骨粗鬆症研究】
まず65歳以上の1000人の女性を対象にした研究なのですが、オックスフォード大学の研究と比べて人数が少なすぎます。
また追跡期間も、オックスフォード大学の研究が最長で23年間なのに対し、カリフォルニア大学の研究は7年間にすぎません。
(そもそも、なぜ65歳以上の女性に限定されているのか……)。
【単純すぎる「植物タンパク」vs「動物タンパク」の研究】
次に33カ国、87件の調査なのですが、こちらはなぜか被験者数と追跡期間が紹介されていません。
論文には載っているのかもしれませんが、なぜかコリン・キャンベルはそれらを隠して紹介しています。
また、オックスフォード大学の研究は肉食、魚食、ベジタリアン、ヴィーガンの4群に分けるという、非常に細かい研究ですが、カリフォルニア大学の研究は「植物タンパクvs動物タンパク」という単純なものです。
こうした理由から、私はオックスフォード大学の研究のほうが説得力があると思います。
【J.Gerontolgy】
最後に余談を1つ。
キャンベルはカリフォルニア大学の研究が載ったJ.Gerontologyという雑誌を「一流の研究雑誌」と言っていますが、誰もが知っているNEJM、JAMA、BMJなどと比べて本当に一流と言えるのか、少し疑問が残ります……。
【まとめ】
●カリフォルニア大学の研究は具体性に乏しく説得力がない。
日本の国民病の1つである糖尿病。しかし標準治療は大変危険なものなのです。糖質制限による治療をぜひご検討ください。
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