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ヨーロッパ放射線リスク委員会は本当に信頼できる団体なのか?

【ヨーロッパ放射線リスク委員会】

 実は、フクシマ原発事故が起こってほぼ2週間後の2011年3月30日、ヨーロッパ議会によって設置された調査グループ「ヨーロッパ放射線リスク委員会」(ECRRーーEuropean Comminittee on Radiation Risk)が、公式発表から得たデータを使用して、フクシマ原発事故によって東日本地域で今後発症すると予想されるがん患者の増加数を発表していたのである。その予測では、

 ーー福島第一原発から100キロ圏内では、今後50年間で19万1986人ががんを発症し、そのうち半数以上の10万3329人が今後10年間でがんを発症する。(中略)

 その予測の信憑性を信じない人がいると思うので、ECRRについて説明しておこう。1997年にヨーロッパ議会が開催したブリュッセル会議の議決にのっとって設立された組織がECRRであり、単なる市民団体ではない。ECRR初代議長をつとめたイギリス・オックスフォード大学の女医アリス・スチュワート博士は、がんや白血病になった10歳未満の幼児を調べ、その母親がX線撮影を受けていた回数を突き止め、「妊娠中の女性のX線撮影が胎児のがんの発生率を高めている」という衝撃的な統計を、世界で初めて明らかにした。かくして「妊婦のX線撮影禁止」という現代医学界の常識を確立した人である。1970年代から、当時医学に従事していた私にとって、“放射線と放射能”の危険性を初めて教えてくれたのが、彼女であった。(中略)

 そのECRRが、日本における高い人口密度を考えれば、200キロ圏内では今後50年間でおよそ40万人以上が「フクシマ原発事故による放射能によって」がんになる。そして200キロを超える地方もグレーゾーンであるから、細心の注意が必要である、と日本人に重大な警告を与えたのだ。 広瀬隆〈東京が壊滅する日〉より

✔️【真相〈RCT(ランダム化比較試験)ではない〉】

 そのアリス・スチュアートという方がおこなった調査は、エビデンスレベルが高く、信用できる調査の最低ラインとされるRCT(ランダム化比較試験)ではありません。

【「間違った常識」などいくらでもある】

 また、「妊婦のX線撮影禁止」という現代医学の常識を確立したそうですが、この世の中、「間違った常識」などいくらでもありますので……。

【予測の信憑性は低い】 

 また、アリス・スチュアートは福島原発から100キロ圏内で、今後50年間で19万1986人ががんを発症すると言っているそうですが、史上最悪の原発事故であるチェルノブイリ原発事故でさえ、25年間で被爆の影響で白血病にかかったと疑われているのは80人にすぎません。

 詳細はこちらの記事で確認してください。

 そう考えるとアリス・スチュアートの予測は、信憑性が低いものと言わざるを得ません。

【オックスフォード大学名誉教授の言葉】

 最後に。

 広瀬隆は「オックスフォード大学の女医アリス・スチュアート」という権威を使って自分の主張の正当性を高めようとしていますが、同じオックスフォード大学の名誉教授にウェード・アリソンという人がおり、彼の言葉にこういうものがあるのです。

 「日本の場合も、津波の物的人的被害に加えて、強制避難が家族とコミュニティーと経済にダメージを与えてきた。避難区域の規定に使われた線量レベル(20ミリシーベルト毎年)はあまりにも低すぎ、退去の必要のない大勢の人が避難を余儀なくされた。国民の権利を侵害する社会経済的“手術”の基準は、相対的に高く設定すべきであり、上限100ミリシーベルト毎月あたりが妥当だろう。この水準でも、放射線治療で健康な細胞が浴びる線量の200分の1程度だ」

【まとめ】

 ●アリス・スチュアートのX線の調査はRCTではない。

 ●同じオックスフォード大学のウェード・アリソン名誉教授は真逆のことを言っている。


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 国民の3人に1人がかかると言われるがん。しかし、手術、抗がん剤、放射線の標準治療は大変危険なものなのです。がん食事療法をぜひご検討ください。

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