Domi&JDBeck @BLUE NOTE TOKYO(後編)
(前編はこちら→Domi&JD Beck@BLUE NOTE TOKYO(前編)
5月12日金曜日のセカンドステージは20:30開演。ステージの真ん前という素晴らしいにも程がある6名ボックスシートに座り、見た目も味もポーションもお上品なフィッシュ&チップスをブルーノートオリジナルのクラフトビールで流し込んで、開演の時を待つ。ライブの何が好きって実はこの時間かもしれない。ワクワク、ドキドキ、期待、高揚感…これらの感情全てのレバーが少しずつ上げられていく感じ。
開演はほぼ時間通り。客電が消えて後方からドミとJDベックが二人揃って歩いてくると拍手が湧き起こる。私たちの前の席にいたお客さんが手を挙げるとドミがハイタッチをした!思わず「いいなぁ!!!」って心の声が大きく出てしまった。立派な大人なのに完全に小学生のリアクション。
向かって左側にドラムセット、右側にキーホード。キーボードの椅子はお馴染みのトイレで、きちんとトイレットペーパーも備え付けてある。すみっコぐらしのトイレットペーパーをドミにプレゼントしたらどうかな?なんて考えていたけど、渡せないかなと思いとどまった(結果的にプレゼントを渡せる時間があったので持っていけばよかったのだけど)。
ドラムセットとキーボードの間にはピンクの桜の木がブルーノートの青い光の下で幻想的に浮かび上がっていた。
マイクに向かって挨拶をするドミ。JDベックはスマホをいじっていたかと思うとマイクにスマホを近づけた。「私は日本語が話せません。こんばんは愛する日本の皆さん、ありがとう」と翻訳アプリの音声が流れた。かわいい…、またまた心の声が口から出てしまう。
それでは…と二人が視線を合わせてタイミングをとり、音が弾けた。と同時にビートと連動してシートからズンズンと振動が体に伝わってきた。うわぁこれは知らなかった、このシートこんな仕掛けになっていたなんて。
目の前で展開される「超絶テク」に案の定釘付け!今日はもうできる限り目の前のこの瞬間を五感で感じ取って体に染み込ませようと決めていた。
ものすごく分厚い音とリズムの構成に圧倒されるけど、演奏する二人は至ってナチュラル。腕や指先から足まで全てが違う動きで忙しく音を奏でているというのに、涼しい顔をしている。演奏が終わって、あんなに高速でドラムを叩いていたにも関わらず、JDベックは息切れや肩で息をするようなこともなく「すん」としている。汗をかいているようにも見えないし、その腕の細さにも驚く。
演奏の間のトークもとてもゆるくて、こればかりは年相応で微笑ましい。どうやら二人は歌を歌うのはあまり好きではないらしく、「はぁ次の曲は歌わないといけないわ…(JD Beckに向かって)、ほらマイクスタンドちゃんとセットして!」なんてやりとりをしている。もちろんここでも本日何度目かの、かわいい…が口から出た。
セトリがないのでどの曲がどうだったという感想がなくて申し訳ないのだけど、演奏してくれるかなぁと期待していたTake a chanceはやはりやらなくてそれが残念だった。まぁあれはアンダーソン・パークのボーカルがないと成り立たない歌だからやらないだろうなとは思っていたけど。
個人的には、各々のソロの時に声をあげたり拍手をして盛り上げたかった箇所が何度かあったけど、ブルーノート東京のノリがわからずおとなしくしてしまったのが少し悔やまれる。曲が終わると皆さん大きな拍手や歓声を送っていたけどね。
終演後、なんとドミとJDベックが物販で購入したものにサインをしてくれるとのアナウンスが!
入場時にTシャツを買っていたのでそれを片手に列に並ぶ。ファンとにこやかに会話をしたりお礼を述べるドミとJDベックがどんどん近づいてくる。
私の前にいた友人が、Take a chanceが聴きたかったことなんかをお話ししていて、私の番が来たので、ドミにまずは日本語で日本を楽しんでる?って聞いたら大きな目をさらに大きくして、もちろん!!って答えてくれた。それからドミはフランス出身なのでフランス語で話しかけてみるとフランス語に切り替えて話してくれた。私のTシャツはドミからJDベックに渡され、JDベックはサインの下に何やら落書きみたいな絵をゆっくりと描いてくれた(この落書き部分まで含めて彼のサインらしい)。夫がJDベックに「日本にはいつまでいるの?」って聞いてて、おいおい馴れ馴れしいなと思ったけど、ベックくんは「17日までいるよ」って教えてくれた。その後彼らのインスタを見たところ、奈良やUSJのスーパーニンテンドーワールドなんかでオフを楽しんだようだ。
Domi&JD Beckの初来日のライブを見れたことは、何年か後にめちゃめちゃ自慢できることになっているに違いない。次に日本に来た時はおそらくブルーノートのような小さな箱ではやらないのではないかな。
でも次もまた絶対見にいきたい!もちろん日本じゃなくてもチャンスがあればどこででも!
まだ20歳と23歳の二人の天才は、今後も私のひと聴き惚れを何度も更新していってくれるはずだ。