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通信キャリア各社の戦略的展開と市場動向【2024年最新!通信キャリア実態調査からユーザーの流動性、ARPU、新プランの市場分析 Vol.1】

今回は、2024年3月28日(木)に開催した「2024年最新!通信キャリア実態調査からユーザーの流動性、ARPU、新プランの市場分析」セミナーでご紹介したデータをもとに、通信キャリアユーザーの動向と今後についてお話します。こちらは、MMD研究所が定期的に開催している通信シェア・満足度セミナーの最新版です。
 
調査結果をMMD研究所にて公開しておりますので、あわせてこちらもご覧ください。

2024年2月MNOのシェア・満足度調査
2024年2月MVNOのシェア・満足度調査
2024年2月通信サービスの乗り換え検討に関する調査

▼連載コラム(公開しましたらリンクをつけます)
Vol.1 通信キャリア各社の戦略的展開と市場動向
Vol.2 ポートIN/OUTとARPU向上に向けた取り組み


市場シェアの前回比較

大手4キャリア各社の決算発表を振り返ると、それぞれマルチブランドでの総合的な獲得や新プランの展開により契約数を伸ばしています。
弊社の調査結果として、メイン回線について前回(2023年9月)と比較したものがこちらです。

大手3キャリアの本ブランドは、これまで基本的に減少傾向にありましたが、半年比較では唯一SoftBankが0.2ポイントシェアを伸ばしています。さらに分析すると、Y!mobileからSoftBankへの転換が増えていました。これは新プランであるペイトクの影響が多いのではないでしょうか。各社のポイ活プランの影響は、業界の新しい動きになっていきますので、今後さらに注目していきたいと思います。

docomoとauはキャリアサブブランドやオンライン専用プランでシェアの拡大が見られ、特にUQ mobileは0.6ポイントの増加となりました。

サブ回線はこれまで伸びていたMVNOが減少し、最も伸びたのがpovoでした。povoは基本料金が0円ということもあり、サブ回線としての勢いが増しています。0円で利用しているユーザーを有料利用に転換させ、さらに有料利用のユーザーをどう増やしていくかという部分が、povoの拡大に寄与していくのではないでしょうか。

契約年別で見るユーザー獲得

通信キャリアの契約時期を年別・月別で見ていくと、シェアの流れがよりわかりやすくなります。現在の利用キャリアをいつ頃契約したかを聞き、まとめたものがこちらです。

2023年の1年間の数字をみると、大手3キャリアは初めて契約するキャリアとして選ばれる強さが一定数ありますが、キャリアサブブランドのUQ mobileとY!mobile、さらにオンライン専用プランのahamo、そして楽天モバイルの4つのブランドが特に市場の流動性を高めていると考えられます。その中で大手3キャリアは、他社への流出を防ぐためのマルチブランドでの囲い込み、さらに他社からのリプレイスという部分に力を入れています。

楽天モバイルは特にテレビを中心としたマスプロモーションや紹介キャンペーンなどに力を入れていますが、先日ファミリー層へ向けた施策として家族割を発表しています。
2024年以降、家族割やポイ活プランなど、各社のリテンションを高める施策を進めていくと予想されますが、シェアにどこまで影響してくるのかが楽しみなところです。

セミナーダイジェスト

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