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「北海道取材後期」


どうも。地域批評シリーズ編集長の岡野です。

緊急事態宣言下ではありましたが、お仕事ということで北海道に行ってまいりました。今回はその取材後記です。

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現地では、旭川、札幌、函館と各地を点々としましたが、あいにくの緊急事態宣言発令で、さすがに飲食店はどこも休業状態となっていました。
道産子といえばおおらかでおおざっぱなイメージがあるので、ここまで真面目に行政の要請に従うとは正直意外でした。決められたことはしっかり守る、苦しいときは助け合うのが道産子なんですねえ。素敵です。

といっても、すすきのでは大勢の従業員を助けるため、酒の提供を公言し営業していた飲食店もありました。まあそれは仕方ないとしても、正直者(休業要請に応じた者)が馬鹿を見る社会になっちゃいけませんよね。それより何より、出張族らしきサラリーマンの集団がオネエチャンの店に「ウィウィ」とスキップ状態で入っていったのはいただけません。
せっかくのすすきのということではっちゃけたい気持ちもわかりますが、我慢はみんなでするもの。ここはとりあえずホテルでひとり酒+ペイチャンネルで妥協しましょう。

さて、この北海道取材で、私は現地(函館)から活イカとの格闘(朝市でイカ釣り)をする腹積もりでおりました。
そのシーンを「函館で踊り食い!? 伝説の暴れイカに岡野取材隊が挑む」として動画報告する予定でしたが、緊急事態宣言中の土地でキャッキャとイカ釣りを楽しむのもなんなので断念しました。

通常ならイカ釣りで格闘→その場で釣ったイカをさばいて食う、という生来のイカ好きには夢のようなフローが待っていたわけですが、ここはぐっと我慢し、夕方まで取材をしたあと飲み屋に入り、ひとりでじっくり活イカ刺と銘酒男山の熱燗を堪能させていただきました。
函館は飲食店の休業要請対象都市ではないので、美味い酒とツマミを堪能できたのですが、それでも休業している店のほうが圧倒的に多く、やっている店を探すのに一苦労。ある店に聞くと、緊急事態宣言で観光客や出張族が激減しているので、店を開けていても仕方がないんだそうです(取材した店のオヤジ、コロナなんぞに負けるなよ!)。

で、肝心のイカですが、活イカなんで美味かったですよ、うん。
値段も1杯千円しないなんて、さすが本場です。でもイカ自体が小さくて、ワシワシ食いたかった超イカ好きの自分としては、ちょい物足りず。甘みや旨味も若干足りないような気がしました(命をいただいておきながらすいません、イカ!)。どうせなら小ぶりなスルメイカのリキラリアットではなく、おおぶりなスルメイカのウエスタンラリアットを真正面から受け止めてみたかったっす、ウィ~! というわけで函館のイカの真価はわからずじまい。新型コロナが収束したら再訪確定です。

活イカ刺し

ちなみに今回はあくまでも地域批評シリーズの取材ですので、道内の観光スポットはほとんど行きませんでした。皮肉たっぷりに「行くとがっかりする観光地ナンバーワン」の時計台の写真を撮らせていただきましたが、唯一、自分のたっての希望で、田中邦衛さん追悼の意味も込めて『北の国から』の舞台となった富良野の麓郷に行かせていただきました。

こういっちゃなんですが私は『北の国から』のフリークであります。
ガキの頃に母親(札幌出身)に放送を見せられてハマり、学生時代にはシナリオ集も買い、20代前半には同じフリークたちと夜通し登場人物のセリフを言い合いながら飲み明かすなんてことがしょっちゅうありました。というわけで、富良野に入った瞬間から同行ライターに私のうっとうしいばかりの『北の国から』ナビが発動。
「子どもがまだ食ってる途中でしょうが」程度の名言しか知らない同行ライターには苦行たったと思います。五郎さんの石の家では途中から興奮する私のそばをそっと離れていきましたから。

その石の家の近くには、初期の家が移築されておりまして、私が感動したのは家の中より石風呂でした。

石風呂

あまりにうれしくて、周囲に誰もいなかったもんですから、ついつい一人芝居(『北の国から帰郷』の石風呂のシーン)をはじめちゃいました。

「父さん、僕早く言おうと思ってたんだけど東京でちょっと事件を起こしたんだ」
「どんな?」
「けんかして人に怪我させたんだ」
「どうしてけんかした?」
「大事なものをそいつにとられたから」
「そうか。それは人をケガさすほどお前にとって大事なものだったのか?」
「ああ」
「なら仕方がないじゃないか。男は誰だって何と言われても戦わなきゃならんときがある

くぅ~、五郎さん、かっけー! でも個人的にはこのあとの純と五郎さんのやりとりがたまらなく好きなのだ。

「父さん、僕まだこれも言ってないけど東京で職を三べんも変えたんだ。長続きしなくて三べんも変えた」
「俺は昔六ぺん、いや七へん変わった。東京にいる間に七へん変わった。これは家系だ。気にするな」

若かりし自分は、この五郎さんの言葉に幾度となく勇気づけられたのです。かあ~、いますぐ一杯やりたくなってきた。

帰りがけには中畑工務店(地井武男の家)のモデルとなった木材会社も見られて、またまた感動。旭川に戻って追悼飲みできなかったのは残念でしたが(同行ライターはほっとしていたでしょうが)、いい記念になりました。

さて、地域批評シリーズでは、テーマとする地域の人の性質を取り上げることが多々あります。そうした観点から『北の国から』を見てみますと、倉本聰は道産子の性分をよくわかっているなと改めて感心してしまいました。
五郎さんの「行き当たりばったり」「どんな環境にもめげずに立ち向かっていく」「意外に自分勝手」というのはまさしく道産子の性分
このドラマ、登場人物の性格を都会人の感覚で描いていたら、伝説のドラマにならなかったでしょう。

ほんと、演者やスタッフのみなさんに「感謝、感謝、感謝」です。


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