都知事選 2024について思うことなど
さて、2024年7月7日に東京都知事選挙が行われて、選挙戦こそあまり報道されなかったにしろ、開票後大いに盛り上がりました。
大いに盛り上がった理由は、開票結果が大方の予想とかなり違ったこと。特に石丸伸二さんの得票数の伸びが顕著で、蓮舫さんをも上回る2位だったこと。そしてその石丸さんの選挙後のインタビューへの回答姿勢が物議をかもしたことの二点に収束されるのではないかと思います。
上記のグラフは出口調査ですが、属性でいうと比較的若い方(10〜30代)、そして男性が石丸さんに多く投票されていることがわかります。
また年代が上がるほど小池さん、蓮舫さんに投票している方が多く、また、女性は小池さんや蓮舫さんに入れている方のほうが、石丸さんよりも多いことがわかります。
今回、私は蓮舫さんに投票しました。東京都は(都庁のプロジェクションマッピングなどではなく)ホームレスや外国籍の方、マイノリティなどもっとより色んな人が生きやすい社会になるためにお金を使える都市であると思うし、そうなればいいなと思ってます。この観点では、蓮舫さんは一貫して国政から都政までを考えていらっしゃると思いましたし、一人の女性としての立場でも応援したいなと感じました。
ただ今回の都知事選で、その主張を正しく多くの人に伝える手段、メディアの使い方はもっと良くできたと思います。これは彼女に対する批判ではなく、そもそも自分自身も誰に投票すべきかなど色々考えてるうちに選挙戦が終わってしまった感があり、私自身が「蓮舫さんを応援する活動がもっとできたのでは?「みんなみたいに街頭演説にちゃんと行けたのでは?」など一有権者としての関わりが消極的であったことに反省をしています。
関わろうと思えば関われる、行動しようと思えば行動できることなのに、「政治」というのは置かれている環境によっては、あまりにも遠くに感じてしまうものなのだなと実感しました。
ただ、この考えに至るのは、やはり石丸さんの得票率の多さに驚きを受けたこと、また、私自身が石丸さんに得票するという考えに一切至らなかったことからだと思います。
最初は石丸さんに対して地方から出てきて東京を変えたいって面白い人だなぐらいしか思っていませんでしたが、過去の安芸高田市での訴訟や議会での答弁の様子、同性婚に対する無回答、政策にあまり中身がないこと、Xでの投票を呼びかける人たちの様子などを見て、「有権者の多様な意見を聞いて政策を進めるのではなく、自分が良いと思うことはプロセスとして違法であっても進める」ぐらいの人なのかもしれないと思い、割と早めに投票候補からは落とした経緯がありました。
私は自分が良いと思っている社会のあり方が、割とリベラルに近いと思っているので、こういう思考になると思います(特に同性婚に対する意見など)。
ただ、世の中そういう人ばかりでもないですよね。自分が社会をこうしたいという意見があまりなかったり、今の現職はなんとなく嫌だなみたいなぐらいの感覚だったり、私のようにリベラルではなく中道あるいは保守に近い人だったり、あるいは男性で石丸さんに共感しやすいポジションの方であったりすると、彼に関する情報で流れてくるものは、彼が色々改革を起こしてくれそう、信頼に足りそうというイメージが強い投稿なんだと思います。
アメリカでは主に2017年にトランプ大統領が当選した際に問題になりましたが、SNSのアルゴリズムでは自分の主義主張に近いものがピックアップされるようになっているので、それにより周りの人も自分と同じような意見を持っていると勘違いしてしまいやすい構造にあります。
一面的な情報しか得られないので、より自身の主義主張に傾倒してしまい、他の人の意見が聞けなくなる、いわゆるフィルターバブルという現象がおきます。
ただ、これは私もそうです。私はフィルターバブルを認識して情報に当たっているつもりではありますが、どうしても自分の主義主張に近い人や同じような情報にばかり当たってしまうのがネット社会だと思います。
ただ、これを無自覚に受容し続けていると、どうしても思想や意見が偏ってしまい、お互いをわかり合ったり、冷静に議論したりするのがとても難しい社会になってしまうと危惧しています。
私自身もまだ若者だし、今回の都知事選挙で若者が石丸さんに投票したことを1ミリも悪いと思っていないし、投票に行ってくれて素晴らしいと思います。
ただ、自分がなぜその人を良いと思っているのか、その根拠となる情報は本当に正しい情報なのか、SNSで部分的な情報だけ得ているだけではないのか、など批判的な観点で情報を判断するべきということも考えてもらいたいです。
そしてこれをわかっている人たちは、こういう情報に対するリテラシーをもっと多くの人に広めていってほしいです(私自身の反省も含めて)。
今回の都知事選挙をきっかけに、政治や選挙に対して比較的オープンに議論できる場が開かれたことは本当に素晴らしいと感じますし、みんなが責任を持って自分の選挙権を行使して、どういう社会になってほしいかを議論できる、ちゃんと声に上げられることが良い社会を作っていく基本になるはずと、私は思います。
デンマークの留学から帰って以来、有権者としての市民教育はめちゃくちゃ大事だと思っていたけど、今回ほど痛切にそれを思ったことはないです。
学生に主権者教育を実施されているといえば、たかまつななさんがやっている笑下村塾の活動がめちゃくちゃ素晴らしいので、良ければ見てください!(PRではないです)
また、私が行っていたデンマークのフォルケホイスコーレは、社会を作っていく市民としてのcitizenshipが学べる(他にも関心のあるトピックを世界中のみんなと英語で学べます)素晴らしい学校で、しかも政府が授業料を結構出してくれてるので半年で30万円という激安でデンマークに滞在できます。
学びに年齢は関係ない、ということで、特に入学に年齢要件もないので、気になる方はぜひ行ってみてください。
これ今もサイトで使われている写真がほぼほぼ同じタームの子たちで嬉しい!(笑)
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