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政治家とネット・SNS戦略

(この記事は、2022年7月22日に前ブログで公開されたものです。)

参院選が終わった。


結果については皆さんご存じのとおりだが、今回注目すべきは参政党の躍進であろう。


泡沫政党と思われていたが、ふたを開けてみれば比例1議席で終わったものの、選挙中における情勢調査では3議席も狙えるくらいの勢いだったというから驚いた。


参政党の躍進は、新党効果とも、6万人にも及ぶと言われる意外に多い党員の尽力ともいわれるが、SNS活用が他党と比べうまかったという指摘もある。


TikTok等でショート動画を量産し参政党を熱心に支持する方々が拡散するという流れが上手く機能したということである。

政治発信も街頭演説&チラシ→ブログ→SNS(Twitter)→動画(YouTube)→ショート・切り抜き動画の時代へ | 音喜多駿 公式サイト (otokitashun.com)


モバイル通信の高速化大容量化が進んだ今だからこそ有効になった戦略と言えよう。


しかし、ネットによる政治・選挙広報が、HP→ブログ→短文SNS→動画→ショート動画とトレンドが変わろうとも、ポイントとなるのは、「いかにして普段政治に興味を持たない人に興味を持ってもらうか」である。


熱心に政治を追いかけている人は、そんなにいない。


むしろ、普通の人は政治家の力を借りるようなことにならないようにしているとさえ思ってよい。


実社会の職場等でも政治の話をするのはタブー視されているから、人々の政治への関心は潜りがちである。


SNS等でいかに素晴らしい政策や主張を書いても、読んですらもらえないのである。


では、どうすれば良いか。


TwitterやFacebook、InstagramといったSNS等は、「政策などの政治的主張より前に、まず、自分自身という人間を売るためのツール」と割り切るべきだろう。


自分自身という人間を売るとは、どういうことか。


それは、自分自身という人間を好きになってもらう、興味を持ってもらうということである。


いきなり、割と熱心な政党支持者や政治家個人の支持者でない限り、SNS等での政治的主張を見てもらうことは困難である。


そもそも、興味の外の世界の話なので、人々のタイムラインに上がってすらこない。これがネットの特性である。


政治に興味の無い人には、その人の興味に寄り添わねばならない。


つまり、その人のタイムラインに上がってくるためには、その人の興味のある分野の投稿をするべきなのである。


グルメでも好きなアニメでも好きなスポーツの話でも、何でもよい。


とにかく、政治以外の話で注目をしてもらい、政治以外でのつながりを作ることである。


そうすることで、一般の人に普段からSNS上で追っかけてもらえる存在になるのである。


たまに投稿する政治的主張・政策(できれば、ブログにまとめてTwitter等でリンクを貼る方が良い。ブログの方が長文を書けて、考えをしっかり伝えることができる)も目に触れる機会を得ることになり、そこから自分の新たな支持者になってくる可能性が生まれてくるのである。


そういう、支持者予備軍をまず惹きつけて、だんだんと支持を増やしていくというのが、有効な戦略と言えるだろう。


ところが、今の政治家のSNSの使い方は、あまり上手とは言えない。


フォロワー数もあまりいないのに、いきなりTwitterで政治的主張をかましても、熱心なファンにしか読まれない。ネットに上げれば、自然と広まるというものでもない。


さらに、熱心に投稿をしているが、「○○駅前で街頭演説しました。」等の活動報告ばかりの政治家もいるが、これではただのアリバイ作りにしかならないし、既存の支持者を満足させるだけで終わるだろう。


ましてや、選挙の前後だけ熱心にSNSをやっているようでは、何の意味もない。


SNSを通じて交流してきた支持者とその予備軍(政治以外の興味でつながった人)との関係性は、一朝一夕でできるものではないのである。


長い時間、SNSを通じて蓄積した投稿とそれを通じた交流があってこそ、選挙での強力な支持につながるのである。


とりあえずは、まずはいかにして、政治に興味の無い人を引っ張ってくるかである。


それは、ショート動画の時代になっても変わらないだろう。


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