緊急寄稿 2023年5月臨時党大会に思うこと

こんにちは、海原雄山です。

5月14日(日)に、統一地方選終了に伴う、臨時党大会が行われました。

これは、統一地方選、衆参の国政選挙の後には、臨時党大会を開いて『党代表選を行うかどうか』の決を採らなければいけないという党規約に定められた規定に基づいたものです。

今日は、臨時党大会について思うことをnoteに書き留めておきたいと思います。


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議題①『党代表選を行わない』は妥当!

党大会の議題その1は、『党代表選を行うかどうか』で、圧倒的多数で党代表選を行わないということに決まりました。

統一地方選にあたって、地方議員・首長合わせて600人以上の達成を目標に掲げ、見事これを大幅に上回り目標達成しました。

なので、党代表選を行うべき理由もなく、馬場執行部は信任を得たということになります。

私はこの結果について、特に異論はありません。

目標を達成した以上、今の執行部を変えるべき理由は見当たりませんから。

ただ、この議案について、6名の反対=党代表選をするべきという票が入っています。

これをどう解釈すべきでしょうか。

現馬場執行部に対しての不信任とも取れますが、一方で、馬場執行部は続投は認めるものの党代表選を行うべきという意思表示とも考えられます。

実は、私も後者の意見です。

昨年夏の党代表選では数々のイレギュラー事象や、一般党員に政見が紙で配布されずデジタル機器に慣れていない人には政策が届きにくかったなどの問題があり、その正当性に一部から疑義の声も上がっていました。

改めてしっかりと疑義の無い形で馬場さんが再任されれば、正当性への疑問の声も止むと考えますので、再度このタイミングで代表選を行うべきだと言うのが私の考えでした。

また、このタイミングで代表選を行うことで、新たな優れた能力を持つ人材が立候補すれば、党執行部以外の人間にもスポットライトが当たり、新たなスタープレイヤーが表舞台に躍り出る契機ともなり得ると思います。

そういった理由で、党代表選を行ってほしいという願望はありましたが、統一地方選の大勝もあったためマストではなく、衆院選以降に持ち越しでもOKかなというのが私の今の受け止めです。

しかし、議題②『党代表選は次の衆院選後にも行わない』は少々疑問

しかし、議題その2『8月15日までに解散が行われた場合、党代表選を行わない』には疑問符が付きます。

この議題の趣旨を理解するには、党規約第7条第3項ただし書きを読まないといけないので、引用しますと・・・・

第7条 (省略)
2 (省略)
3 代表の任期は、就任から衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙、統一地方選挙の公職選挙のうち、最も早いものの投票日後90日に当たる日までとし、重ねて就任できるものとする。ただし、最も早いものの投票日後90日に当たる日よりも、前段他の公職選挙の任期満了日前30日に当たる日(統一地方選挙の場合は前半選挙の選挙期日前30日に当たる日とし、衆議院の解散の場合は解散日とする。)が先に到来する(同日を含む。)場合(同一年に実施される統一地方選挙と参議院議員通常選挙の場合に限り、参議院議員の任期満了日前30日に当たる日が統一地方選挙の投票日後90日に当たる日よりも後に到来することとなる場合を含む。)は、後に行われる公職選挙の投票日後90日に当たる日まで代表の任期を延長するものとし、更に他の選挙が行われる場合も同様とする。

長い!何言ってるかわからない!!という声が聞こえて来そうなので、意訳しますと、

本文では『衆議院選挙、参議院議員選挙、統一地方選の後には党代表選をやるかどうか臨時党大会で決めます』ということが語られていますが、ただし書きに『それらが割と近い時期に近接していたら、最初の選挙の後に臨時党大会で党代表選を行う決は採らず、後の方の選挙が終わり次第の臨時党大会で党代表選を行うかどうか決を採る』と言うことです。

つまり、短い期間に党代表選を行うかどうかの決を2回も採るのではなく、まとめて1回で決を採ると言うのが、このただし書きの趣旨です。

この条文は非常に合理的です。

恐らく何度も党代表選の決を採るのは煩雑なので、最後にまとめて決を採れることで効率化することが狙いと考えられます。

しかし、今回の臨時党大会議題その2である『8月15日までに衆議院の解散が行われる場合、党代表選は行わない』というのには、少々疑問です。

この議題は、今回の臨時党大会で代表選をしないことに決まったわけですから、先述の党規約第7条第3項ただし書きの趣旨に則って、早期に(3か月後の8月15日までに)解散しなければ、もう代表選をやるかどうか改めて決議しなくてもよいであろうというのがその趣旨のようです。

一見すると、短期間で何度も代表選実施の是非を特別党員に諮る手間暇を掛けなくて良いということで、リーズナブルに見えますが、少々疑問があります。

と言うのも、衆院選が行われば、その結果を参考にして、党代表を改めて選びなおすべきかどうかということを特別党員は考えなければいけないわけです。

衆院選が、(あまり想像したくないですが)仮に大敗に終わった場合、当然ながら特別党員から今の代表の体制が続くべきではないという声も当然ながら上がってくるであろうと思います。

そうなれば、当然直後の臨時党大会で党代表選実施の是非を決議すべきですが、今回の議題②が可決されたことで、8月15日までに解散された場合、衆院選後にそのような意思表示の機会が無くなってしまうことになるのです。

期せずしてかどうなのかはさておき、ほぼ確実に衆院選後の馬場執行部が存続することが決まったわけですが、これは衆院選後に本来改めて確認すべき党執行部への信任というものを先取りしてしまっていることになっているのではないかと疑問符が付くわけです。

確かに衆院選野党第一党はかなり高いハードルではありますし、ましてや早期解散となれば候補者すら満足に立てられず、目標未達となる可能性が高いため、現執行部の存続にとってかなりリスキーな状況となり得ます。

そのため、うがった見方をすれば、そうなるリスクを最小限にするため、今回のように衆院選の結果を待つことなく先んじて党代表の存続を決めてしまうという選択をしたという考え方もできそうです。

もっとも、この議決が効力を持つのは、8月15日までに解散があった場合に限定されますし、仮に早期解散で衆院選が大敗した場合、何らかの形でその責任を誰かがとることも考えられますので、無制限に衆院選後も馬場執行部体制の存続が決まったわけではないことは付言しておきます。

ただ、個人的には、純粋に衆院選後の直近の特別党員の意思を正確に反映させるならば、『統一地方選後の臨時党大会ではなく衆院選後の党大会で改めて党代表選実施の是非の決議を採る』ことを議題に載せるべきであったのではないでしょうか。

というのも、今回、統一地方選で圧倒的議席を獲得したわけですから、臨時党大会で党代表選を行わず代表任期延長が圧倒的多数の票を得て、党代表の任期が伸びるのはわかり切っていました。

事実、議題①は過半数を上回る票を得ました。

よって、どうせ決議を採らなくても馬場代表の信任は明らかなわけですから、今回の臨時党大会でわざわざ党代表選実施の是非を問わずとも、これから実施されるであろう衆院選の結果を踏まえた特別党員の意思を反映をさせるべく、衆院選後の臨時党大会で党代表選実施の是非を問うべきだと思うのです。

人材が十分に育っていない中、『現執行部を安定的に運営すること』を優先するならば、今回の議題②のことも一定理解できるところではありますが、まだどうなるかもわからない衆院選の結果も踏まえずに早々に衆院選の後の党代表選省略を決めてしまうのは、党内世論の反映を軽視しているという見方もできなくはありません。

なお、私は、昨年の代表選で馬場さんに投票したし、現執行部はその期待にしっかり応えるどころか選挙や国会内で期待を超える成果を上げてくれていると思いますので、基本的に信任しています。

また、それでも党代表選をやることで、新たな人材が世に出ることも同じくらい大事に考えています。

今回の議題②をどう評価するかは、『現執行部の存続による党の安定運営』と『特別党員の意思反映のプロセス』の2つを天秤にかけて考える必要があるでしょう。

どちらを重視するかは、読者のみなさんの価値観にもよるかもしれません。

私は、その2つの狭間で揺れています。

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

是非ご意見を聞かせてください。


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