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サブカル大蔵経533水木しげる『総員玉砕せよ!』(ちくま文庫)

執拗な細密画と劇画とラフの合作。それは人生そのものか。

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ピー屋に行ってきます。p.13

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 命令で現地の慰安所にせわしなく通う

小指を切るんだ。遺骨を作るんだ。切れねえ。おめえたちゃあ行っちまうんか。p.89

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 水木しげるの鎮魂

本田軍曹を誤射。しまった。p.207

 味方に殺される戦争

一体我々はなにしにこんなところで戦うのでしょうか。p.209

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 ブルシットジョブの極北のシーン。この真ん中の子、『猫楠』で天皇に進講する熊楠の為に海クモを採る新五郎に似ている。

玉砕してない?敵前逃亡、抹殺だ。p.259

 結局内ゲバで人が殺されていく。敵ではなく味方にヤラレていくのが戦争の本質。

90%は事実です。ただ、参謀が流れ弾にあたって死ぬことになっていますが、あれは事実ではなく、参謀はテキトウな時に上手に逃げます。p.355 (↓参謀)

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なぜか作品では参謀に責任を取らせる。

玉砕というのは、必ず生き残りがいます。ベリリウが模範になり、ベリリウに続けとよく言われました。兵隊は猫位にしか考えられていないのです。あの場所をそうまでして…、なんという空しい言葉だろう。p.356

 ベリリウという読み方が真に迫る。

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