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サブカル大蔵経864寺田隆信『物語中国の歴史』(中公新書)

「元」のスケールの大きさ。

西洋と東洋の垣根をぶち壊す。

西征を通じて、モンゴル族が、中国を制圧する前に、中国のそれに匹敵する高度な文明が世界各地に存在することを知ってしまった。彼らにとって中国の文明はもはや唯一最高のものではなく、いくつもある文明の1つに過ぎず、それに心酔同化される必要はなかった。こうした認識が彼らの中国支配のあり方に影響与えないはずはないだろう。p.201

今の中国の政治は何となく面白くない。日本も幕末の方が国際的だったように。

国は何を恐れて壁を作るのだろうか。

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貨幣には文字が鋳込んであったから、文字は民衆の目にも日常的に触れるようになった。かつて、文字は卜辞として、王や一部の貴族たちが神意を伺うために使用するものであったが、いまや庶民レベルにまで一般化した。p.39

 貨幣による文字の啓蒙。圧倒的な文明。

諸子百家の中で社会的要請に最も適合していたのはおそらく法家だっただろう。彼らが力説したのは君主権の拡大と強化である。p.48

 法家とマキャベリを両方読むと、法家の方がより徹底しているように感じました。だから法家は殺され、法だけが残った。

後世シルク・ロードと名付けられる東アジアとヨーロッパを結ぶこの交通路を打開したのは張騫である。彼の功績は武帝の名とともに長く記憶されてしかるべきである。やがて仏教を始めとする西方の宗教・思想・技術が伝えられたのもこのルートであった。p.71

 〈道〉が思想を運んだ。今のネットもそうだろうか。

「軍を御すること三十余年、手より書を捨てず」好学の士・曹操は多能であった。p.99

 文人、曹操。

文帝には独孤皇后との間に五子があり、後に煬帝となる楊広は次男で晋王に封じられていた。p.136 

 中国ドラマを観ていると、独孤一族がいつも鍵を握ります。

ペルシア人・アラビア人の来住。陸路だけでなく海路からも渡来。彼らの居留地が設けられた。ゾロアスター教、マニ教、キリスト教の一派である景教、イスラム教回教が伝えられた。p.145

 〈リトル◯◯〉みたいな。唐はNYC。

特に辺境防衛のため節度使が設けられ、玄宗はこれを10ヶ所に拡大。彼らは軍政だけでなく、民政・財政も掌握。藩鎮と呼ばれる地方軍閥へと成長。この中から辺境の異才・安禄山が登場。安禄山はソグド人を父とし、突厥人を母とする混血の胡人。p.148

 節度使は日本で言えば戦国大名みたいなものでしょうか?安禄山は誰だろう。

五代の諸王朝は興亡したが、梁と周が漢族であったのに対し、唐・晋・漢はトルコ系沙陀属の王朝であった。しかも皇帝たちはほとんど節度使の出身であった。すなわち安史の乱以後、節度使の勢力はますます強くなり武人政治を繰り広げた。これが五代と言う時代であるp.161

 トルコは最初から今の場所ではない。漢民族に阻止された世界トルコ化計画。

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