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サブカル大蔵経318田中純男編『釈迦信仰の世界』(ノンブル社)

真言宗豊山派僧侶たちの素敵な文集。寺の日常から地域の行事、外国紀行に歴史の論考と、民俗学や歴史学のエッセイ集の趣きでその対象は鎌倉仏教にとどまらないから巨きくて豊かな感じがしました。真宗でもありがたい法話集ばかりではなく、こんなエッセイ集があるといいのになぁと思いました。

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人々に信仰されてきた釈迦。p.2

 この視点。

1916年、日本で初めての花まつりを東京日比谷で開催した。安藤嶺丸。p.15

 約100年前。もともと一部の方の運動から始まったんですね。「安藤の花まつりか、花まつりの安藤か。」

京都の家庭で作られた鏡餅を砕いたお菓子おはなくそ、お花供祖。/新潟、月遅れで涅槃会。団子まきp.20.27

 ウチでも涅槃会をしてはなくそ振る舞いたいです。お餅のお菓子美味しそう。

日本最古の仏足石は薬師寺。p.40

 旭川のこのお寺にも10年前にインドから仏足石が来てくれたのですが、いつのまにか通り過ぎてしまう〈風景〉になっています。でも、いつかもっと拠り所になるような気がします。

戒律。戒はシーラ。自主的判断。お天道さま。律は与えられたルール。p.49

 戒と律は違う。このことを学んでから、いろんな人におしゃべりしてます。

河口慧海。各宗派のあるために仏教の真面目は隠滅しているp.55

 総合的仏教…。たぶん一度宗派に説得力なくなった時でしょうか。

輪廻の停止。p.65

 仏教の本懐。ここを忘れがち。私たち人間はこれを止めたくないのかも。

龍樹中論の帰敬偈。滅するのでなく、生ずるのでない。p.70

 この龍樹の観点を現代仏教でも取り入れたらいいのにと思いました。

日本霊異記、観音菩薩が17話と人気。釈迦は全3話のみ。最多は法華経。現世利益的信仰。p.78

 偶像アイドル、観音菩薩。

明恵、貞慶、叡尊らに共通するのは、ひとり釈迦だけは常に娑婆世界に住してわれわれ衆生を救ってくれる。p.86

 明恵さんたちの想いを大切にしたい。

1203年、明恵は貞慶から舎利二粒を受けた。九條兼実を介してのもの。p.101

 舎利もらったんですね…。

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