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サブカル大蔵経947小田扉『横須賀こずえ』⑷(小学館)

最終巻、第4集。

ビッグコミック系の単行本の巻数表記は「巻」ではなく「集」だと思っていたら、完結作品は「巻」で、『横須賀こずえ』は「全4巻」となっていました。これ、書いていて、そのまま小田扉の作品に入り込んだ気分になってしまいました。

このnoteを始めてから唯一取り上げ続けてきた漫画作品でした。

 小田扉の主題は、お互いの世界が尊重されること、その垣根を越えた交流が生み出す風景にあるような思えました。そして人間を描く。優しさと残酷とたくましさと。

 二年間ありがとうございました。

 早く横須賀に行きたいと願っています。

 何を確かめるために。

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「たどりついたのが、広報だよな。わかるよ…」/「広報には何も求められない安心がある…」「俺たちまるで生き写し…」p.18-9

 これ読んでから地元の広報誌を読むようになりました。そういう年になったんだなとも実感しました。実際の横須賀の広報も「すかっ子」なんでしょうか…。

ばあさんそそっかしいなあ…p.68

 小田扉の描く死と年寄り。何となく安心するというか。経典的というか。

いなくなったけどいいかと、あの家族に思ってもらいたい。p.101

 初読時に見逃したこずえのモノローグ

「いいよ、これで。しっくりきてるし。」p.153

 人と動物と神の境界が溶けていく世界。そこで育まれる交流がたまりません。

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