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サブカル大蔵経616ゆでたまご『ゆでたまごのリアル超人伝説』(宝島社新書)

現在も連載中の『キン肉マン』。有難いことに週刊プレイボーイのWEBで無料で読むことができます。

スプリングマン、ジャンクマン、カナディアンマン、ベンキマン、レオパルドンらジャンプ時代にその魅力を描ききれなかった超人たちがリングによみがえり、数十年越しのトラウマを克服して輝いていく。

そのマンガ史に残る長い時間をかけた回収展開は、いまだに昭和時代の逸話が掘り起こされ輝きを放つ、実在のプロレスの愉悦そのものであります。

プロレス会場からの帰り道、いい興行の時は、語りたいことが次々とあふれて止まりませんでした。今のキン肉マンがまさにそんな状態です。それをネットで読むのも今の時代ゆえの楽しみです。

『キン肉マン』の長年の軌跡は、連載という興行を重ねてきたゆでたまご先生の栄光と苦闘の姿でもあります。「キン肉マンという団体」をプロモートする立場であり、ファン代表。唯一の別団体興行は…

UWF=『闘将!!拉麺男』説。p.50

本書での、超人たちと実在のプロレスラーや団体が等しく語られていく構成こそ、〈ゆで理論〉の源泉だと思いました。

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 連載とは興行なり。マンガとプロレス。

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 ミート愛を感じます。

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 馬場愛。

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山本小鉄「ゆでたまごさん、このキン肉マンってマスクマンでしょ?」まさかの一言だった。p.66

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「こいついいやつだと思うんだよな。なんかそんな気がするんだよ」バッファローマンについての松井二代目編集のつぶやき。そこには何ら根拠はなかった。松井さんのただの直感。p.57

 編集者たちの存在。

ミートくんの勝利も、キン肉マンが下ごしらえをしておいたという形にして、ミキサー大帝にも気を使っている。いくら悪行超人でも、子供に負ける事は屈辱的である。こういう部分は非常に気遣いが必要なのだ。p.126

 キン肉マンに土をつけ、ミートに破壊された超人・ミキサー大帝への気づかい。

ザ・ニンジャ。試合のブッキングが多かったのだ。p.168

 WEB編になってからも試合多いです。

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 WEB編は珠玉の名試合でした。


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