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サブカル大蔵経281東山彰良/吉川トリコほか『夜更けのおつまみ』(ポプラ文庫)

家呑みの可能性が増える中、購入した本です。

寄稿された作家の作品をほとんど読んだことがないので、興味がある文章の人は読んでみようと思いました。こういうきっかけも嬉しい。

それにしても、市川紗椰さんすごいです。もっと文章読んでみたいです。

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【田中啓文】昔「味付け海苔とトマトジュースとタバスコ」と言うものにハマった時期があった。なんじゃそれは、と思うだろうが、レシピを説明すると、まずコップにトマトジュースを入れる。そこに、えっ、それはいくらなんでも入れ過ぎちゃうの、と思うくらいにタバスコ入れる。そして最後に、そのトマトジュースに味付け海苔を1枚ずつ浸して食べるのだ。これがビールに合う、と自分では信じていたのだが、さすがに今は、なんであんなもん美味いと感じてたんやろうと思う。p.26

 意外とバーで出てきたらかっこいいおつまみのような…。

【市川紗椰】吉野家。朝3時の吉野家には他の客はおらず店内にはけだるそうなバイト君が1人。この飾り気のない殺風景な店内、嫌な気がしない。私の心は決まってる。これ以外ありえない「牛丼並盛と牛皿の並盛ください。あとおみそ汁」友達も不思議そうにこっちを見た。「肉の量は一緒じゃない?アタマ盛りの方が安いよ」友よ、愚かな友よ。教えてあげよう、エンドレス牛丼。この世で1番幸せな牛丼の食べ方。p.57

 現代の団鬼六、降臨遊ばされました。

【前川ほまれ】レモンサワーもチャーハンと同じ290円だった。この店の価格設定いちど覗いてみたい。ふとこのチャーハンをつまみと捉えて酒を飲むのはどうかと言う考えが浮かんだ。「これが正解だ」と叫びたくなってきた。それから週に3日はその店に通いつめた。必ずチャーハンとレモンサワー2杯を注文した。そうすると1000円以内に収まる。p.166

 レモンサワー二杯というのがたまらないです、ほんとに。もっとチャーハンの可能性に世界が気づくべきかも。減反政策なくなるかもしれない。ギョーザやラーメンの付随でなく、チャーハン専門店があってしかるべきなような。

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