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サブカル大蔵経 日本編

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2021年8月の記事一覧

サブカル大蔵経786小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)

第三の新人、小島信夫の作品。 私は、『利他とは何か』(集英社新書)に寄稿されていた磯崎憲一…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経785庄野潤三『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)

第三の新人と呼ばれた作家。阿川弘之、安岡章太郎、遠藤周作、吉行淳之介は、エッセイや短編を…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経783梅棹忠夫『行為と妄想』(中公文庫)

学生時代の登山から、失明以降の震災すらも描く自伝。役に立たないから大木になった。という挿…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経784パリッコ『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』(スタン…

この題名に惹かれました。昔バリ島でスーパーマーケットに入った時、そこの2階だけが時間が止…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経782岡倉天心/桶谷秀昭『茶の本』(講談社学術文庫)

和訳でちょうど100ページ。残りは注釈と原文の英文が掲載。日本や東洋を世界に伝えるために茶…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経780松本清張『ゼロの焦点』(新潮文庫)

ずっと得体の知れない迫力が続く。 その要因は、北陸の空気と、語り手である禎子の執拗な洞察…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経779多川俊映『俳句で学ぶ唯識超入門』(春秋社)

鎌倉時代の新興仏教宗派が勢力を拡大する中で、奈良の南都六宗という存在は、過去の遺物として葬り去られた。しかし今、内田樹風に言えば「南都六宗の呪い」が現代社会を撃つ。本来の仏教を取り戻せと。 現代の研究では、〈南都の衰退〉は、鎌倉仏教史観であり、律宗や華厳宗の思想的な影響などは当時も大きく、その現代性や個々の僧侶の実践も再評価されていると思われます。 奈良の仏教寺院は美術的に再発見され、修学旅行や観光地として賑わい、特に興福寺の阿修羅像は大人気となりましたが、興福寺が〈法相

サブカル大蔵経778武藤禎夫編『元禄期軽口本集』(岩波文庫)

今や日本の一大勢力となった〈お笑い〉、〈芸人〉とは何か。その源流はどこか。 江戸期に編ま…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経777川添愛『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)

川添さんは素晴らしいプロレスラーです。プロレス者が溜飲を下げる驚天動地の書。 今回はもう…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経776内田樹『邪悪なのもの鎮め方』(文春文庫)

内田樹は〈専門〉を超えたところにあるから、どの専門家よりも頼りになると、本書で再認識しま…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経775山田風太郎/サメマチオ『追読人間臨終図巻2』(徳間書店)

膨大な労作にふさわしい労作。 まさに日本文学史の副読本たり得る本。 風太郎先生との距離感…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経774三土たつお編『街角図鑑 街と境界編』(実業之日本社)

私の周りの、見えていないもの。 知らないと見えないものがある。p.3 見ているのに名前を知…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経773谷沢明『日本の観光』(八坂書房)

期待していた昭和の観光パンフレット鑑賞本ではありませんでしたが、日本の観光を知る上で必須…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経772ステファン・シャウエッカー『外国人だけが知っている観光地ニッポン』(大和書房)

観光とは何でしょうか? 招く方と行く方、お互いのイメージが重なるよりも、ズレた方が面白いと思います。 訪日前に期待していたことは「日本食を食べること」が70.5%と最も多くp.20 日本食ってそんなに期待されてるの?ハードル高い…大丈夫かなぁと思っていたら、 印象的だった食べ物のトップは「寿司」「天ぷら」を抑えて「ラーメン」に。「おにぎり」はコンビニで気軽に買えるのがうれしい。 と目次から目を引きます。ラーメンか!欧米人はスープと麺を同時に食べることは難しいかと思っ