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楽器演奏者の"浄書"の手間をデジタルで解決へ 新しい流通チャネル構築&事業展開も

▼クライアント
大日本印刷株式会社 様
https://www.dnp.co.jp/

▼業種
法人サービス印刷サービス商業・出版印刷

▼サポート内容
iPad専用電子楽譜アプリ『MuseCloud™』の設計デザイン開発

▼DXの分類・目的
派生事業(新規市場×既存資産)ビジネス基盤拡大ビジネスモデル変革

▼キーワード
アプリ開発UIデザイン

1876年の創業以来、印刷技術と情報技術を融合させ、国内外の顧客企業・生活者に多様な製品とサービスを提供してきた「大日本印刷」(以下、DNP)。

モンスターラボは、同社のiPad専用電子楽譜アプリ『MuseCloud™』の設計・デザイン・開発を担当した。

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■課題

デジタル化に合わせて生活に浸透した電子書籍。印刷業界を長年に渡ってリードし、電子書籍事業にもいち早く参画したDNPは、新規事業として次世代型の楽譜流通販売事業に乗り出そうとしていた。

その一環としてまず着目したのが、タブレット上で瞬時に移調(楽曲全体を楽器の音域に合わせて別の高さに移すこと)ができる電子楽譜アプリの開発だった。

演奏者は、自身の楽器に合わせて移調する場合、手作業で楽譜に修正を加える必要がある。この課題に対してDNPは、演奏者が簡単に移調を行うことができるデジタル楽譜の流通チャネル構築を目指していた。

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■ソリューション

開発を進めるなかでハードルとなったのは、専門性の高い領域のキャッチアップ。移調したデータの正確性をエンジニアが判断しかねること、また、一般的なアプリ以上にユーザーニーズが見えづらく、演奏者に好まれるUIを特定しづらいことなどが発生した。

このような弊害を乗り越えるべく、演奏者にテストモデルを使ってもらい、ヒアリングを実施。機能の実装、テスト、フィードバックの流れを繰り返すことで精度を高め、実用に足る品質を実現した。

開発期間・コストの観点では、MusicXML(世界的な電子楽譜のファイルフォーマット規格)に対応した有料ライブラリを有効活用し、開発にかかる時間とコストを圧縮。候補に挙げられた複数のライブラリについて、プロダクトの要件を満たせるかどうかの技術的な調査を実施し、開発を進めた。

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■結果

このサービスによって、あらかじめ電子化された楽譜の調性を読み込み、アプリに組み込んだアルゴリズムによって簡単に移調を行うことができるように。これまで手間がかかっていた作業を短縮できることから、多くの演奏者の注目が集まった。

DNPは、楽譜浄書(楽譜を綺麗に清書すること)から印刷、電子化、販売までを一貫して提供する次世代型の電子楽譜流通チャネルを創出。電子楽譜事業を新たに立ち上げた。

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(情報公開日:2019年12月2日)

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事例についての問い合わせ、DX(デジタルトランスフォーメーション)のご相談は以下からご連絡ください。

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