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なにもしない。

ついこないだまで、この先なにもしないで生きようと思っていた。が、到底何もしないことなど無理なのだよなぁと気づいた。

自分は、実家を出てから四年半以上同じ建築物に住んだことがない。それなのに家を買おうとしている。

生きているとやはり必要なのは住まいである。何もしなくてもいる場所だけは必要である。それは都会の片隅の小さなアパートでも、田舎の一軒家でも。

自分があちこちゴロゴロと動いてきたのは、それぞれの場所の居心地が悪くなったから、なような気がしていたのだが、今回家を買うという時になった時に、いったい自分はどういう基準で住みたい家を探してきたのか?ということにぶち当たった。もちろんそれは単純に「住みたい場所」に住んでいただけなんだろうけれど、毎回、何かしらの「問題」が生まれて引っ越すことになる。

今の住まいも日照時間が少ない古くて寒い隣が近すぎるという「問題」があって、引っ越し先を探していたわけだけど、最近、その家を買うことが具体的になり始めて、部屋の荷物を軽くしなくてはいけないなーと思って、色々整理し始めたら、なんかとっても楽しいのである。その時、あれっと思ったのである。この「問題」というのは、移動したいための自分の方便なのではないか?って。

「もっといい場所がある」と思って引っ越しを重ねているのだと思っていたが、単に「移動がしたい」という欲望に従って、落ち着けない場所を選んでいるのではないか、ということである。

引っ越す時に物をどかーんと片付けて、身軽になるのがものすごく好きなんだ。日常のちまちました整理整頓は一切できないくせにである。

遠い目で「業」だな。。。と呟いたところで、引越し魔であることには変わりがない。

ねぇ、ではなんで、家なんか買おうとしてんだい?ってなことですが、借りるのが面倒くさくなった。。そして買える値段だったし、何年か払えばまた売れそう貸せそう、とか、あるんですが、一番大きいのは「やったことがないことだから」なのかもなー。

家を購入するにあたり、知るべきことってあれこれあって、うわ、めんどくさい!って思いながらも、その仕組みを知るとなんか面白いのである。「五里霧中手探りどころかお手上げ怖い!」って引いて見てたのに、その霧が晴れて数字があれこれを転がっている世界が見えてくる。その数字を理解して行くと答えが見える。。。

二年ほど前に、実家を売る時も、自力で書類を集めて見たり計算して見たりすると見えてきたあれこれが、大変だったけど、非常に新しい体験だった。

今度買う、ということになって、何が必要かとか必要なものは何かとか調べて知るほど、なんかわからんけどそういう知識を入れて使っていくことが面白いな、と感じるんである。

多分、新しい経験であれば内容なんでもいいんだろうなぁ、自分(笑。

それでも、大きなお金を動かすので、いろんな人に聞いてあーだこーだしてジタバタして見て、そんな風に自力で見つけていく事がこの人生で自分が面白いと感じる事なのだな。。

新しい体験。この世界に「体験」をしにきているんだなぁ。としみじみ思う。「何もしない事」など、到底無理なんである。この世界というアトラクションの中では。

世界が見せてくれるあらゆることを、自分が飛び込めるあらゆる場所で、生きてみるしかないのである。

買った家に例え短期しか住まなくたって、まぁ、それはそれである。先のことなど、わからない。でも、自分でわざわざ「問題」を作って動くことはやめにしよう。ただ、自分は動きたいのである。新しい体験をしたいだけなのである。この世界で。

家のことは90%くらい決まっているのだが、まだちょっとかかりそうである。「新しい体験」だからこそ感じる「ドキドキちょっと心配ワクワク」な世界を味わっていこう。


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