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私の大好きな弟へ。
昨日、実家の愛犬が亡くなりました。
名前はラン。
ミニチュアダックスフントの男の子。
子犬の頃からよく駆け回っていたから、という理由から名付けました。名前を付けたのは私だったか、兄だったかは覚えていませんが。
享年17歳。
今月末がお誕生日だったので、もうすぐ18歳でした。
平均寿命も超えて、すごくすごく長生きしてくれました。
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人見知りでよその人は怖いけど、家族は大好きでベッタベタの甘えん坊。
お母さんにいつもくっ付いて「抱っこして!」とせがんで、私や兄にもおやつを貰おう、遊んで貰おうと甘えてくる子でした。
旅行も大好きで、色々なところに一緒に行きました。
ランがうちに来た経緯はちょっと変わっていて、あれは私が小学5年生の夏のこと。
地元のペットショップが間もなく閉店するために、夏祭りで「くじ引きでワンちゃんが当たる」というイベントをやっていたんです。
(イベントの内容自体には賛否両論ありそうですが、それはここではスルーさせてください。)
そこで当選したのがランでした。
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その当時、動物があまり好きではなかった父に、母・私・兄の3人で必死に説得して。
「当たったら連れてきていいよ。まあ、そう簡単には当たらないだろうけど(笑)」といわれた私たちは、ひと家族で20枚近くの抽選用紙を書きました。
ズルっぽく聞こえますが、「1人もしくはひと家族何回まで」というルールはなかったので、どうしても迎え入れたくて、家族全員の名前を使って書きまくったんです。
そこまですれば、くじ引きの箱の中身もおそらく半分以上が我らになるわけで、運良く……というよりは半ば力技でお迎えすることになりました。
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当時の我が家にはランのほかにも2匹の犬がいて、ランが来たあとには猫も加わり一時期は動物園状態。
そんな中でのランのポジションはやっぱり末っ子で、私にとっても弟みたいな存在でした。
みんなにかまって欲しくてイタズラをしたり、言うことを聞けなかったり、すごく手のかかる子でした。
私が高校生になった頃は、なぜか私が制服を着るとランが毎回激怒するようになってしまって、それからしばらくは冷戦状態。
なにか誤解をして怯えていたのだと思いますが、結局なにが嫌だったのかは今でも分からないままです。
ただ、そんな仲の悪かった時期でも、私が泣いていたり落ち込んでいると、ランはいつも隣で悲しそうな顔をしていました。
「どうしたの?」って聞いているみたいに。
大学進学で上京してからは、年に数回しか会えなくなって、会う度にどんどん歳をとっていることを実感せざるを得ませんでした。
これは老犬あるあるですが、歳を重ねるごとに甘えん坊が加速して、今まで以上にお母さん、そしてお父さんにもベッタリくっ付いて甘えているんです。
久しぶりに帰った私を、まるで田舎のじいちゃんが「おお〜、よく来たねぇ〜」というみたいに迎えにきてくれる。
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でも、もう実家に帰っても、お出迎えしてくれる可愛い可愛いおじいワンはいないのです。
今までもたくさん犬・猫と暮らしてきて、愛犬を失うのは初めてではありません。
大切な愛犬がいなくなるたびにいつも思ってしまうのは「この子は幸せだったんだろうか?」ということ。
全然、胸を張って十分といえるほどのお世話はしてやれなかった。
ほかのお家にいってたほうが、本当は幸せだったのかなって。
ランがうちにきて幸せだったかは分からない。
けれど、私は、私たち家族は、ランがうちにきてくれてすごくすごく幸せでした。
最後にランに会ったのは半年前で、年に数回しか会っていなかったけれど、まだランの頭の形、毛の柔らかさや感触をすごくしっかり覚えていて。
あぁ、もう1回頭を撫でてあげたいなぁ。
抱っこして「いい子だね」っていってあげたいなぁって思うのです。
これから天国に行けば先代のワンコたちが待っているけど、大好きなお母さん・お父さんはもちろんまだいないし、人間の家族は誰もあちらにはいません。
ちゃんとたどり着けるかな、「抱っこして〜!」って甘えられる相手、誰もいないけど大丈夫かな?ってすごく心配です。
それでも、私たちはもうそばには居てあげられないから、先代のワンコたちがどうか末っ子の面倒を見てくれるように願うばかり。
お母さんに、大好きなボーロとチーズを持たせてもらって旅に出たらしいけど、みんなのところに到着する前に全部食べちゃうんじゃないかな。大丈夫かな。
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ラン。
うちに来てくれて、長生きしてくれて本当に本当にありがとう。
徳島の実家に帰ってももうランがいないこと、まだ全然実感が湧かないよ。
また早くランに会いたいけど、多分私たちはまだまだそっちに会いに行けそうにないからさ。
もしランが生まれ変わるのが先だったら、またうちの家族になってね。
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