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「また明日」ってもう言えないと気がついたとき、「あの頃に戻りたい」なんて思った。

「あの頃に戻りたいなぁ」

今までそんなふうに感じたことって、実はあんまりありません。

自分でいうのもなんだけど、根が真面目な性格ゆえに物事にはけっこう真剣に向き合っているし、常に「最善」をアップデートしているつもり。

日常の中に小さな後悔はあれど、総合的にはいつでも「今が一番いい!」って思っているから、心理テストとかでよくある「過去に戻れるならいつがいい?」の質問には「戻りたいとは思わない」と答えています。


そんな私ですが、先日ふと「あぁ、あの頃に戻れたらなぁ」と感じる出来ごとがありました。

今日は、そんなお話。


先週末、友人の結婚式に参列しました。

新婦である友人とは地元は違うものの、高校生の頃にトロンボーンのコンクールを通して知り合い、同じ音楽大学に進学し、大学4年間はほかの誰よりも彼女と一緒に過ごしました。

大学時代は泣き虫だった彼女が、結婚して奥さんになり、子どもが生まれて強く優しいお母さんになり、なんだか感動してボロボロ泣きまくった、そんな素敵な結婚式。


大学の同期もたくさん集まって、気分はまさに同窓会です。

流石にみんな忙しくて全員集合!とはならなかったけど、集まったメンバーで近況報告をし合って、式が終わった後にはみんなでカラオケに行って、大学生に戻ったかのような気分を味わいました。


大学を卒業して、この春で6年目。

6年も経つと、みんなそれぞれ職を持ち、苗字や住む場所が変わっていたり、新しいコミュニティに属していたり、共通点はほとんどありません。

あの頃は、同じ大学、同じ授業、同じ楽器、同じ先生……と共通点だらけだったのに、今の私たちの間には「大学時代の同期」以外に共通点なんかないのです。
お互いが、お互いの知らないそれぞれの生活を送ってる。

かく言う私も、当時は音楽・トロンボーンに一直線だったのに、今や複数の顔を持つパラレルワーカー。
自分を取り巻く人間関係もここ数年でずいぶん変わりました。

それはきっとみんなも同じで、私の知らない新しい顔があって、私が知るはずもない新しい人間関係を築いている。


今は、もうほとんど共通点のない私たち。


でも、集まって顔を合わせれば、毎日会っていたあの頃のように冗談を言い合って、からかい合える。

それが懐かしくて嬉しくて、でもあの頃みたいに「また明日ね」とはもう言えないのが、少し寂しくて。

昔はなんの約束もしなくても大学に行けばみんなに会えたのに、今は何ヶ月も前から約束をしないと、みんなには会えないのです。


「また明日」って、なんて奇跡的な言葉だったんだろう、と気がついたときに、ほんのちょっとだけ「あぁ、あの頃に戻ってみたいなあ」と感じました。


幻みたいな、ふわふわした懐かしい時間はあっという間に過ぎ、私もみんなも、またそれぞれの生活を送っています。

今の自分、今の生活に後悔はないし、今がやっぱり一番好き。

だけど、もう二度と言えない「また明日」を、また言えたらいいのにな。

そんなふうに、ふと感じてしまった1日でした。

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