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なぜ劇場版コナンはヒットを連発できるのか

今日は毎年公開される度に興行収入数十億後半を出している国民的アニメ「名探偵コナン」のヒットの秘密に迫りたいと思います。

YouTubeでも動画を出しているので、ぜひご覧ください。

僕も実はコナンの大ファンでして、
小学1年生の頃から読んでます。コナンと同い年でしたね。
ちなみに今は赤井秀一と同い年くらいです笑。
その間ずーっとコナンは高校生に戻ろうともがいているんですよね、面白いです笑

コナン映画、1つも観たことないって方はむしろ少数派なんじゃないですかね?
今年はシリーズ25作目のハロウィンの花嫁が公開されました。
面白かったですね〜。

毎年公開されているアニメ映画といえば、コナンの他に、ポケモン・ドラえもん・クレヨンしんちゃんあたりが有名でしょうか。
それらの興行収入と比較してみましょう。

最初こそポケモンとかに負けてますが、直近はもうコナンの独壇場ですね。
そもそも興行収入15億から大ヒットと言われる映画業界で、毎年100億近いヒットを出しているのは紛れもない化け物シリーズです。
今年のハロウィンの花嫁ではついに、シリーズ25作目で累計1,000億円を達成しました。平均約40億。えぐいですね〜。

まさに、劇場版コナンは国民的アニメ映画と言っても過言ではないでしょう。

今回は、そんなコナンがなぜヒットを連発できているのかに迫りたいと思います。

劇場版コナンの転期

先ほどのグラフをコナンだけにしたものです。

これをみると、最初数年は成長していますが、2002年のベイカーストリートの亡霊から後は興行収入が落ちて停滞していることがわかります。

その後2009年で持ち替えして、若干下がりますが30億台をキープしてますね。2015年までに40億強のゆる成長です。

そして2016年でガンッと60億台に伸びて、さらにさらに2018年の紺青の拳で90億に到達しています。

このように劇場版コナンの興行収入は、停滞期・ゆる成長期・急成長期に分類できますね。

作品でみるとこんな感じです。
これらの差分を知ることで、コナンが直近数十億後半の超大ヒットを連発している理由を解明できるのではないでしょうか。

停滞期からゆる成長期へ

結論から言いましょう。
この時の変化は大きく3つありました。

  • コナン最強コンテンツ、「黒の組織」の活用

  • ゲスト声優起用による新規層の獲得

  • 原作連動によるファン層の獲得

この3つです。

黒の組織の活用

これは2009年に公開された漆黒の追跡者のことを指します。

原作でも最も盛り上がるいわゆる「黒の組織」回を映画に持ってきたような作品です。
それまでも天国へのカウントダウンでチラッと黒の組織が登場することはありましたが、がっつり本編のメインテーマになるのは本作が初です。

これによって7年ぶりの最高興行収入更新を果たします。

直近の劇場版を見ていなかった原作ファンやライトコナンファン層が多く来場したんでしょうね。

ゲスト声優起用による新規層の獲得

このゆる成長期すべてに言える話としては、
コナンファン層以外を獲得するために、ゲスト声優起用をやってるというのが挙げられますね。
漆黒の追跡者の前作、戦慄の楽譜からやってるんですけど、
このゲスト声優の起用は今でも続いてます。効果出てるからでしょうね。

ゲスト声優を起用するとまあそのゲストのファン層が興味を持ちますし、
ゲストのSNSとかニュースで取り上げやすくなったりとか、宣伝効果が増しますもんね。

ちなみに11人目のストライカーはキングカズ選手や遠藤選手ら日本代表選手が出てくれてます。
めっちゃ棒読みでこれはこれで見ていて面白いです笑
笑っちゃいけないんですけどね、出てくれることがありがたいですから。

原作連動によるファン層の獲得

あと異次元の狙撃手という2014年の作品は劇場版の中でも特殊で、
ファンにはたまらない作品なんですよね。

あ、ネタバレするので嫌な方は次の見出しまでスキップしてください。

何やったかって言うと、映画が原作のストーリーと連動していて、しかも映画が一瞬原作の先を行ったんですよね。
赤井秀一という超人気キャラクターがいたんですけど、
この人この映画公開の7年前くらいに黒の組織に殺害されたんですよ。

でもファンの中で「きっと赤井は生きている」って噂されていました。
その赤井が予告に出てくるんですね。
しかも「明かされる禁断の真実」というフレーズとともに。

また予告詐欺か?って思いましたねー。前科ありますから。
でもなんと現実世界で7年間死んでいた赤井秀一が、映画で生存が確定するんですよね。

沖谷昴というキャラクターに変装していたんですけど、
沖谷の声が最後変わるんですよ。赤井秀一の声に。
博士にもらったチョーカー型変声機つけてたんすね。それのスイッチを押して、「了解」って一言。
7年ぶりに赤井の声が流れて、それでエンディングテーマ。
いや〜この作品はえぐかったですね。鳥肌めちゃくちゃ立ちました。

とまあそんな感じでファンサービス的な原作連動をやって、結果この作品も最高更新、40億を突破しました。

ゆる成長期から急成長期へ

急成長の理由も3つ挙げました。

  • ミステリー×アクション×ラブコメ設定を生かした幅広いターゲット獲得

  • イケメンサブキャラクターのメイン起用

  • 毎年公開を生かした次回予告

この3つです。詳しく見ていきましょう。

ミステリー×アクション×ラブコメ設定を生かした幅広いターゲット獲得

ミステリー・アクション・ラブコメって、
まあ別にこれは急成長期の映画に絞った話じゃないんです。
そもそも劇場版コナンって、この3つでできてるんすよ。

コナンってミステリーですよね。
何系?って言われたら、探偵もの・ミステリーマンガのジャンルに入ります。
でもシャーロックホームズとかアガサクリスティとか、金田一少年の事件簿とかと何が違うかと言われたら、
差別化ポイントの根幹は主人公が小学生に縮んだ高校生ってとこですよね。

そう、見た目は子供 頭脳は大人 です。
この設定がコナンの強さの根っこなんですよ。やっぱり。

なんでかって言うと、
体は子供なんですよね。
そうすると子供だから犯人を捕まえられません。そこで出てきたのが阿笠博士。
めちゃくちゃ強力な発明品でコナンに力を授けます。

それが、
キック力増強シューズだし、
ターボエンジン付きスケートボードだし、
ボール射出ベルト
なんです。
ほら、アクション映画になってる。

でも心は高校生・思春期なんですよね。
新一の同級生はみんな恋愛したい盛りですよ。
ラブコメも描けるじゃないですか。

ミステリーももちろん面白いんですけど、ミステリーだけだとターゲットが狭いんですよね。
小さいお子さんとか、女子高生とかがミステリーめっちゃ好きですって、あまり見ないじゃないですか。
それがどうです?

アクションがあるから子供が見てくれる。ミステリーも組み合わさって親も満足。
ラブコメがあれば若い女性層も取れる。
登場人物が小学1年生から阿笠博士まで年齢幅広い。
老若男女カバーしてるんですよね。

このバランスが見直されてきてるのが急成長期かなって思います。
1番最初のころはミステリー職が強かった。ミステリー6、アクション3、ラブコメ1くらい。
最近はこれがちょうど1:1:1くらいな感覚がしますね。
ミステリー好きからするとちょっと物足りない感もあるんですが、
幅広い人に来てもらうことが結果につながる興行収入においては、この方が強いでしょうね。

イケメンサブキャラクターをメインに据えて女子&ファン層獲得

今の話とも関連するんですが、
停滞期と急成長期にはメインキャラクターに大きな違いがあります。

停滞期、この5作品ですが、当然メインキャラはコナンそして蘭なんですよ。
まあキッドが出たり、水平線上の陰謀では小五郎のおっちゃんが輝いたりとかあるんですが、
メインキャラはコナンで、基本はコナンの独壇場です。

ただ最近は違います。

もちろん主人公はコナンなんですが、イメージコナンともう1人主人公がいるって感覚ですね。
純黒の悪夢は黒の組織回なのでちょっと別ですが、
から紅の恋歌は平次
ゼロの執行人は安室
っていうふうに、イケメンキャラがメインを張ります。

次の紺青の拳はキッドなんですが、キッド回はこれまで何度もやってるので、京極さんも並べてます。
その次は赤井ファミリー、さらにその次は警察学校組。

イケメンが輝くんですよね〜、これがかっこいい笑
それはもう女性ファンが増えること増えること。映画館行ったら女性の多さに驚きます。初期とは明らかに見ている層が変わってますね。

あとこういうサブキャラにフォーカスがあたるのは、原作ファンとしても面白いんですよね。
警察学校組のチームプレイが見れたりとか。僕は和葉ファンなので平次と和葉が出てくるのも好きですし。

毎年公開を生かした次回予告

そしてメインキャラを立てるのに合わせて、
次回予告をやってるってのも劇場版コナンの強さだと思います。

映画館で見てる人は知ってると思います。
コナンの映画って、エンドロールで誰も席立たないんですよ笑
これすごいすよね笑

みんなエンドロールのあとにちょっと締めみたいなのがあるの知ってるんですね。
そして締めの一くだりがあったあと、さらに
次回予告が流れるんです。

次回、26作目、来年GWに公開!みたいに。
それが文字だけじゃなくて、19作目までで言うとテーマとなる舞台の映像が出てたんですよ。
船が写ったり、飛行船が写ったり。

それがですね〜、20作目からはメインキャラの声になったんですね。
黒の組織のジンの声がしたり、
安室の声がしたり、
赤井の声がしたり、
これはファン喜びますよね〜。

来年のコナン、赤井さんっぽい!
SNSでめっちゃツイートされますよ。

ちなみに今年のハロウィンの花嫁の最後、つまり来年2023年の予告は黒の組織でしたね〜。
「会いたかったぜシェリー」ジンの声で一言。
いや〜これは楽しみ、絶対見にいきますもんね、来年。

まとめ

ということで、個別の作品で見ると黒の組織をやったり、原作連動やったりとありますが、

直近のヒットの要因は、ミステリー×アクション×ラブコメをほぼ1:1:1にして、幅広いターゲットを獲得してきてるということと、

イケメンキャラのメイン起用が大きいかなと思います。

それにしても、来年の映画がめっちゃ楽しみ!コナン映画は永遠に続いてほしいですね〜。

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