ラスト・ドワーフ ラスト・チャージ

唯一の女性ドワーフ、”戦鬼”シヴの葬儀が終わった。”歯車”デグは友を失い、世界最後のドワーフになった。
曇天の下、デグは膝の上の杖を撫で、白髭の中で呟いた。
「自業自得だな。竜やロンサムジョージとは違う」

「デグ、考え直さないか? 今の技術なら……」
ただ一人の参列者である大統領が言った。デグは首を振った。
「クローンは無しだ。ドワーフの血を人の血清に使うのは良いが、子どもが切り刻まれるのは耐えられん」
「そんなことはさせない、絶対に」
「分かってる。お前らはいつも最後には約束を守った。たとえ手遅れでも」
「耳が痛いな」
「老人の小言はこれからだ、ボブ」

大統領は薄く笑いながら耳のインカムを抑えた。笑顔はすぐに消えた。
「国中の自動人形が暴走している」
「ああ、俺が仕組んだ」
“歯車”デグはそう言って立ち上がり、両義手で杖を構えた。悪鬼を殺す戦斧を持つかのようだった。

「一度、竜の役をやってみたかった。俺と戦え、人間」 【続く】

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小説を書きます。映画が好きです。