イノベーション

「味方」の作り方 その1

一人で出来ることなどたかが知れている。

何かを成し遂げようとしたら、どれだけ周りを巻き込めるかがカギになる。
しかし、自分がどんなに正しくても、どんなに理論的にそれを説明しても、人は動いてくれないときがある。

どうやら人は、感情なしに物事を判断することは出来ないらしい。


イノベーションを起こそうというのなら尚更だ。

スタートアップなら、売上ゼロの構想段階から、仲間を集め、資金を調達しなければならない。
企業内でのイノベーションも、「事例は?」と唱えるだけの偉いおじさんに、GOと言わせなければならないときがある。

全く新しいことをしようとしているのだから、成功事例などあるはずが無いのに、だ。


先日、「とある超大企業の人」と議論したとき、面白い気付きがあった。
それは、大企業がイノベーションを起こすために必要なのは「若くて才能のある人と、根回しおじさんだ」という話だった。
これを「天才と、根回しおじさん理論」と呼びたい。
(引用:『週報』


では、どうやって周りの人を自分の「味方」にするのか。


1. 「共通の敵」を作る

シンプルだが、なかなかに強力だ。
接点の無い者同士が、手っ取り早く団結する手法のひとつである。


「共通の敵」が競合他社であったり、社会問題であったりするなら健全だ。

ただし、この共通の敵を作るという手法が、「いじめ」という形で具現化してしまうことも少なくない。
そしてそれは、どんな集団でも容易に起こり得る。


学校や会社で、いじめが起きやすい条件というのがある。

・全体の共通の目的や目標が希薄である

個々の目標が希薄である

・個々の自己肯定感が希薄である


そんな集団でも、毎日同じ空間で共同生活を続けるのだ。

だから、誰か特定の人間を迫害し、「共通の敵」を作り出すことでしか団結できない。
こういう環境では、ごく自然に存在する集団心理なのだ。


この人間の心理を、意図的に利用することもできる。
第一次世界大戦で敗れ、財政も崩壊していたドイツの国民をまとめるためにナチスが使ったのも、
ユダヤ人の迫害という、「共通の敵」を作るマネジメント手法だった。


この非常に強力な手法を、健全な形で利用できればいい。
誰も傷つかないままに、何かを「共通の敵」だと認識させることが出来れば、頼もしい仲間が手に入るかもしれない。

有力な手段のひとつであることは間違いない。

くれぐれも、ご利用は計画的に。


次回は、「味方」の作り方のその2だ。

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