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はじめましたくない。

こんなこと言うと
「根暗だなぁ」
とか
「ダメなやつだなぁ」
とか思われそうだけど、「はじめまして」がとても苦手で、できれば「はじめまして」をしたくない、と私の中の私は思っている。

「それではだめだ」
ということは分かっているので、私の中の私に「黙れ、小僧」と思いながら、敢えて「はじめまして」の試練を与えるようにしている。

新しいコミュニティに出かけてみたり

友だちの友だちに会ってみたり

知らない人ばかりの研修に出てみたり

人の紹介で、何故か紹介者抜きで人に会ってみたり

何度「はじめまして」の試練を経験しても、全部「はじめまして」な「はじめまして」(『経験したことのない、どれ1つ同じもののない』と言いたい)なので、全然慣れない。

明日
「『はじめまして』がある」
と思うとドキドキしてしまう。

「何着て行こう」

「息くさいって思われたらやだから歯みがきしまくってミンティア舐めまくろう」

「会話が続かなかったらどうしよう」

「困り過ぎて『いいお天気ですね』ばっかり言ってしまわないだろうか、私よ」

「紹介してくれる人にがっかりされないだろうか、恥をかかせないだろうか」

「なんか私、話し始めに『なんか』って言いがちだから気をつけなきゃ」

と、とても心配になり、

しまいには

「ああああもう何で私は行くって言っちゃったんだろう!!」

とパニックになる。

行くけど。

中でも服装はとても困る。

服装は内面の表れとも称されるので、
とても慎重になる。

クローゼットを引っかきまわして
「ああああ」
となり、謎の服装になりがちだ。

「不思議ちゃん」と思うのにも気を使って「不思議さん」と思われそうな服装になりがちだ。

*****

「はじめまして」は疲れるのだ。

大袈裟だけど命を削って「はじめまして」をしているのだ。

でも、実際に「はじめまして」をしてみると、そこまで緊張しないし、そこまで怖くないし、会話が続かないこともあまりない。

会話が続かないときは無理に頑張らないで、「さぁ、どっちがさきにしゃべるかな?てってれーん!」と思っている自分がいる。

はじめて会ったとは思えないくらい意気投合したことも何度かある。

色々と思い返すと、

「私、はじめましてが嫌いじゃないのかも知れない」

と思うけれど、やっぱり「はじめまして」は苦手だ。

正確に言うと、「はじめまして」の前の時間が苦手だ。

「はじめまして」前にはどうしても「はじめましたくないよぉーーー!」と心の奥底で叫んでしまう。

いい歳になっても直らないものもあるんですね。

#日記 #エッセイ #はじめまして #はじめましたくない #出会い