見出し画像

子供の頃に読んで意味不明だったけど、大人になって再評価した2冊【Amazon広告あり】

昔々のその昔、図書館の端から端まで本を読んでやろうと思ったバカがいました。
理由は「タダだから

子供の私が田舎の小さな図書館で出会ったのは、荒俣宏先生のキテレツな本(褒めてます)やSF作品達。
それ以外にも「印象には残ったが意味はわからない本」がたくさんありました。

初めてアルバイトしたお金で部屋を借りたのは、図書館の裏だったという私が、子供の頃読んで「なんだこれ?」と思い、大人になってからやっと再評価できた本を2冊ご紹介します。
あなたの読書のきっかけになったら幸いです。
※共感してもらえる方がいらっしゃると嬉しいのです。

1冊目「ブリスさん」

子供の頃に、最初読んだ時の感想は「ンだこれ?」
おじさんがうさぎ(キリンというか)を飼っている話。

既に指輪物語は読んでいたものの、館外持ち出し禁止だったため、触りだけしか読んでいない状態でブリスさんと出会った。
指輪物語とブリスさんが同一の作家である認識もなく、ザーッと読んでおしまい。
感想、意味不明。

ブリスさんを再評価

大人になって「トールキンが書いた絵本がある」と知って、読んだら既視感が。
「あー、あの図書館の端っこに刺さってたやつか」と思い出し、読んでみたら面白い。

私のような殺伐とした生活スタイルの人間から見ると、ブリスさんの気まぐれさや、かわいらしいキャラクター達が生き生きと躍動している世界は、とても魅力的に感じます。

ブリスさんは気ままというか、計画性があるのかないのか。
そこに理想的な自由を感じてしまうんですよ。
優しい世界を見たい方へ。

ブリスさんは、1982年に死後に本の形で出版されたJRRトールキンによる子供の絵本です。トールキンの最も知られていない短編作品の1つで、ブリスさんと彼の新しい自動車への最初の乗り物の物語です。
・・・中略・・・
トールキンは、指輪物語のホビットにブリスさんの2つの名前、ガファー・ギャムジーとボフィンを使用しました。

Mr. Bliss - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Mr._Bliss

私たちが本で読んだ物語は、完全で想像力に富んだ奇抜な物語です。非常に背の高い帽子と庭のウサギで有名なブリス氏は、気まぐれな決断をして自動車を購入します。しかし、友人を訪ねる彼の最初のドライブはすぐに災害のカタログになります。これらのいくつかはブリス氏の運転スタイルのせいにされる可能性がありますが、彼でさえ3匹のクマに乗っ取られることを予期できませんでした。

ブリスさん、トールキンによって書かれ、描かれた物語:出版25周年(09.02.07) https://tolkienlibrary.com/press/Celebrating-Mr.Bliss.htm

2冊目「ナイン・ストーリーズ」

ライ麦畑でつかまえるかどうかを検討する前に、九つの物語を先に読んでいた。

子供の頃に、最初読んだ時の感想は「ンだこれ?」
※本日2回目
特に「バナナフィッシュに最適の日」「バナナフィッシュにうってつけの日」ってなんだ??
意味がわからん。
そして、おい結末!

ナイン・ストーリーズの再評価

ライ麦畑を再度購入しなおした時に、うちの本棚にあったこれを読み直しました。
まともに意味を理解しようとすると、難解な話だと思うんです。
ただ、そういった難解さを素直に受け入れると、どうとでも解釈できる話だとわかりました。

この話の意味はいくらでも深く考えることはできるものの、そこで沸き起こった感情を簡潔に表そうとすると難しい。
人の持つ曖昧さや繊細さを突いてくる。
何度も読むごとに、別の観点で話の解釈ができる。
短い話ながら、読者の置かれている心境や、どこに着目するかによって彩りを変える、万華鏡のような作品だと思う。

サリンジャーさんの分析をされている方の文に、孤立の絶望が根底のテーマにあると書かれていました。
あまり絶望を私は感じないんですよ。
死に関してある種の希望を感じているような、そんな危うさがあるように思うのです。
サリンジャーさんの持つ文章の魅力や、独特の空気感を味わいたいならおすすめです。

孤立と絶望は、サリンジャーの作品に絶えず現れるテーマです。

https://literariness.org/2021/06/08/analysis-of-j-d-salingers-a-perfect-day-for-bananafish/

文学者の中には、戦争などなかったかのように軽薄に暮らしている人々を、精神的に安定しているからこそ無節操である、と評するものがいる[6]。 のちに続くグラース家の連作でもシーモアの死は弟バティらによって繰り返し語られ、グラース家物語の中心を成している作品である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%8A%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%AB%E3%81%86%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%AE%E6%97%A5

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもお読みいただき、ありがとうございます。 書くだけでなく読みたいので、コメント欄で記事名入れてもらうと見に行きます。