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-1日目、端


私の端っこを手放す。
あなた作られたお人形、から遠ざかる、大雑把に区切られた寂しさ、語られた、手応えのない執着。

大人になった孤独を、俯いた夜に聞く、窓を開けて正座して、会える夜に聞く、母の背中。
平日の深夜、公園に落りてきた星が透けて、透明な笑顔の思い出に、窓が唸る、外に連れ出して欲しくて泣き、止まなかった。

いつも何かに謝りたい、私の願いで変わることはないから、突然の暗闇も嬉しい、差し出された平気を振り解く、平均的な夜に寄りかかって、一歩ずつ、あの頃に降りていく。
あなたからの連絡ですぐいなくなるような1人ではなく、何も必要がないほど、端っこにいた頃。

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好きと言われた、そんな感じ。