たびぷらす vol.4-3
(2014年のたびぷらす「富山ぐるぐる」編の再掲です。)
ここから山の方へクルマを進め、八尾(やつお)というところを目指します。
八尾は、夏のお祭り「おわら風の盆」の舞台となる場所。
wikipediaによると、
越中おわら節の哀切感に満ちた旋律にのって、坂が多い町の道筋で無言の踊り手たちが洗練された踊りを披露する。
艶やかで優雅な女踊り、勇壮な男踊り、哀調のある音色を奏でる胡弓の調べなどが来訪者を魅了する。
おわら風の盆が行なわれる3日間、合計25万人前後の見物客が八尾を訪れ、町はたいへんな賑わいをみせる。
とのこと。
泊まっているホテルのロビーなどで映像が流れていますが、その独特の旋律はこころに沁みるものがあります。
折しもその祭りの準備が粛々と進められている町中を通りながら、たどり着いたのはdマークの「桂樹舎 和紙文庫」。
かつて小学校だった建物を移築したそうで、そこにはさまざまな紙にまつわる資料が保存・展示されていて、ショップとカフェが併設されています。
入り口の暖簾には「紙」の一文字。
建物の中はこんなノスタルジックな雰囲気です。
富山の伝統工芸でもある越中和紙。一時期、衰退しかけていたのですが、それを創業者である吉田桂介さんが、民藝運動の中心メンバーのひとりである芹沢銈介さんと一緒に再興させたそうです。
斜陽産業だった和紙産業を、デザインの力で復興させるという、いまでいう地域プロデューサーの先駆け。
残念ながら今年(2014年)の7月に逝去されたそうですが、その想いはこの場所にしっかりと息づいているんだろうなと思います。
いまでも芹沢銈介の代表作品であるカレンダーは定番。廃れない柄と鮮やかな配色を組み合わせて、つくり続けてられています。
型染め和紙は、色合いといい図案といい、民藝好きでなくとも心を揺さぶるものがあるような気がします。
そして八尾和紙の特徴として、丈夫でやぶれにくいこと。使い込んでもヘタることなく、むしろ風合いが増していきます。
あれこれ選んで、ブックカバーを購入しました。
平日限定ですが、和紙漉きの体験もできるとか。またゆっくりと訪れたい場所です。
今回は”d design travel 富山”での「ぐるぐる」はこの3か所だけでしたが、いつかは他のdマークにも足を運んでみたいと思います。
(つづく…)
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