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戦略ごっこを読みながら自分の「戦略ごっこ」を自覚した話

「戦略ごっこ」を読みました。

素直な感想を言います。

私はこれから自分がどうして行けばいいのか、わからなくなりました。

だって、
「あ、これあの時あの人が言ってたやつだ」とか「一般的にこう言われてる」って「そう教わって」きたことや自分で学びに行って得た知識が、、、
そしておそらくどこの企業のマーケティング部も、どこの支援事業者のサービスも、その思考回路がサービス形成の一部を担っているようなことのほとんど全部が
「エビデンス的には違います」
だから。

でも確かに、冷静になって読んでいると全くその通りと言わざるを得ないから。

それから私はこう思いました。

マーケティングの世界にズブズブに入り込む前にこの本を読んでよかった。

でも逆のことも思います。
この本に出会うには早すぎたんじゃないだろうか。
マーケティングの世界に入ってきて1年半ちょいの私には、
この本を読むにはまだ経験が浅かったんじゃないだろうか。

こんなふうに訳のわからないことをぐるぐる考える私にもわかりやすく、ちょっと難しく、戦略ごっこはいろんなことを教えてくれました。

越境ECとダブルジョパティの法則

私は海外に挑戦する企業を支援する越境EC・海外BtoBウェブマーケターです。伴走させていただくクライアントは海外にこれから挑戦するブランドもあれば、すでに海外で認知があるブランドも様々。

例えどんなに日本で有名な企業でも、海外に出たらスタートアップです。
ということは、ダブルジョパティの法則でいうところの「小さなブランド」です。

本書の第1部【WHO】以前の問題では、消費者行動の規則性について詳しく解説してくれています。WHOということで、自分の消費行動と照らし合わせながら読み進めると非常によく理解できました。

自分はあるブランドにとってはウルトラライトユーザーもしくはライトユーザーで、あるブランドにとってはロイヤル顧客でした。
ロイヤル顧客となっているブランドに対しては信頼が厚く、他のブランドの名前はほとんど出てきません。しかしライトユーザーのブランドにはどうでしょう。まさに習慣的に、ニーズが発生してから購入を検討しますがいざスーパーに行くと見た目が似ているので隣に並んでいる違うブランドを買ってきたけどまぁいっか。みたいなことはよく起こります。

じゃあ自分たちが運営するブランドにとって、ライトユーザーが多いことが不都合なことなのだろうか?と言われるとどうでしょう。
正直私は一生懸命ライトユーザーをロイヤル顧客にするにはどうすれば良いか考えていたことがあります。ほんの数ヶ月前までそうでした。
でも本書を読んで考えが変わりました。

マーケティング関連の本を読む時、必ず自分のクライアントの状況や課題と照らし合わせながら読むのですが、本書を読みながら

「あれ、まだまだロイヤル顧客とかLTVとか言ってるフェーズじゃないんじゃん?」とか、

「ライトユーザーを一生懸命リピーターに育てようとしてたけど、それって勝算の高い行動なのかな」とか、

何度も途中で読むのを止めて次のミーティングで話そうとしていることを考え直していたら読み終えるのに4ヶ月もかかりました。

現実と理屈が乖離している時、間違っているのは理屈のほうである

本書の序盤に出てきたこの一文は私にとって衝撃的でした。
全くそう思っていなかったということではなく、「これから語られる事実に、姿勢正して向き合わないといけないな」と一度呼吸を整えたことを覚えています。

まさについ最近、自分がたてた理屈と現実が全く違う結果となり、クライアントをがっかりさせてしまうという経験をしました。
今考えると「もっとこうしておけば」とか「そもそも前提の解釈が正しかったのか」を振り返り反省せざるを得ません。

私がやっていたことは明らかに「戦略ごっこ」でした。

この本の中では「勝算をコントロールできるマーケター」になるために数々の定説に対して、数値の証拠や検証結果を用いてわかりやすく事実の解説をしてくれています。
私が今回体験した失敗はまさに、現れた数値から「越境ECではよく言われていること」を鵜呑みにし、それを元に仮説を導き出した結果でた「定説とは全く異なる現実」でした。

今回のような失敗がなければ、おそらく私はこれからもあらゆる場面で「理屈と真逆の現実」に苦しむことだったでしょう。

これから私は今回起こった「理屈と真逆の現実」の原因を探っていき二度と同じことを起こさないように、そして今回の現実を立て直し理想の方向に持ち上げていくために善処していくつもりです。

絶対目に入る場所に置いておくべき本「戦略ごっこ」

私はこの本を自宅の仕事用テーブルに表紙が見えるように置いています。
「事実に基づくマーケティング」「勝算の高い方法を選ぶマーケター」になるために必要だと思ったからです。

実は日々の忙しさにかまけてこの本を読むのを途中でストップしてしまったので、再開するときには最初から読み返しました。
すると驚いたことに、2回目の方が理解できました。

1回目の読み始めは4月、2回目の読み始めは7月でした。
何事も2回読んだらより理解できるということなのか、私が4月より成長していて理解が深まったのか。

どちらでも良いのですがとにかくこの本は目に見える場所に置いておき、定期的に読み返すべき本だなと考えました。

自分の持っている定説に常に本当だろうか?
その定説は正しいかもしれないけれど、使う場面は今なんだろうか?
日々の業務に追われていると、つい表層のうすーいところまでしか目に入らなくなってしまいがちですが、この本が「ほんまにそれでいいんか?それは勝算が高いんか?事実に基づいた話なんか?」と手足が生えたおっちゃんのように話しかけてきそうで気が引き締まります。

ガワを外したので戦略ごっこが六法全書に見えてきた。。。

ということで、私の読書感想文第2回はコレクシア芹澤蓮氏の【戦略ごっこ マーケティング以前の問題】でした!

次の読書感想文は【LTVの罠】です!
買ってからかれこれ半年経とうとしております。。。
こちらも年内に読んで皆さんに勝手に報告したいと思います!

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