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勝手に読後レビュー【アリアドネの声】2km・6時間の話から学ぶ

どうも、みことのは です。
9月も半分過ぎて下旬に入ってきたこの時期に、本屋さんにはたくさんの新刊が出てきました!

まさかこれって、【読書の秋】を意識してのことなんでしょうか?
読書の秋って、市場経済の戦略ポイントになるのw?

そう思いながら、本屋さんで平積みにされた新刊コーナーを眺めます。手元(家)には読み切れていないミステリーが3冊、学びの本が2冊。・・・私にしては最大限の我慢をして、1冊だけ買いました(汗)どうしても買いたい東野圭吾さんだけ。

あとの購入候補6冊は、今回は見送り。
通常通り、【2度以上検討して、どうしても欲しい(熱が冷めない)】と思わない限り買いません。

そんな中、読了した書籍のご紹介を。
今回もミステリー【アリアドネの声】です。


ちなみに、帯は少し大げさだと感じました。
もし、帯を参考に購入している方は、今回の帯には振り回されないようにw

なるべくネタバレはしないように努めますが、それでもストーリーに触れたりもしますので、その点はご容赦を。



1、丁寧に描かれる世界


主人公は、業務用ドローン開発販売をしている会社の優秀なドローンパイロットです。幼少の頃に兄を助けられなかったトラウマを持ち、毎日ドローン教室の教官をしながらも新型災害救助用ドローン【アリアドネ】にも関わっています。

舞台は、新たなスマートシティ計画【WANOKUNI】。駅からショッピングからオフィスから機能を全て地下に移し、物流はドローン、地上はスッキリ安全性も確保。これぞバリアフリー特区というような昔で言うニュータウンが舞台です。

その場所で、オープニングセレモニー中に突如起こる災害級の大地震。人々は避難し、地下から地上へ逃げますが、たった1人取り残されてしまう。

本作はその要救助者を、ドローンで安全に導く というお話です。

肝となるのは、2つ。
主人公が災害救助用ドローン【アリアドネ】を駆使して、遠隔で要救助者を導く点。要所要所にドローンの現状みたいな説明もあり、とてもリアルでわかりやすく読めました。

実際私も、空撮用ドローン購入を検討していますので。

そしてもう1つの肝が要救助者。今回の要救助者は1名。そのタイムリミットは6時間。ドローンで導く先は2キロ先。

ですが、要救助者は【目が見えない・耳が聞こえない・話せない】方です。


2、【無理!】な事はあんまりない。


前項でお話した設定を見て諦めてしまう人もいるんでしょうね。

日頃から慌ててパニックになってしまったり、問題の根っこが見えない方は、【こんなの絶対無理だ!】とか【あんな問題もこんな問題も】なんてバタバタしてみたりするでしょうが、実際落ち着いて考えてみれば、大概のことは無理じゃないと思います。


落ち着いて解決すべき物事の根っこを見分けたり、誰かに助けてもらったりすれば大丈夫。

本作は主人公がトラウマを払拭するかのように【無理じゃない】という思考で動きますが、徐々に話が進むに連れてその意味が変わってきます。そんな主人公の成長のお話でもあります。


3、匿名ネットと迷惑系YouTuberというリアル


タイムリミットは6時間、導く距離は2キロ。いくらドローンで要救助者にハンデがあっても・・・と思うかもしれませんが、そこはフィクション。いくつもの邪魔が入ります。

その中でもリアルだったのが、ネット民の声と自分のことしか考えない迷惑系YouTuberの邪魔。

読んでいて、【あぁもはや物語の進行を左右する出来事になるまで、世間にとって邪魔なリアルは市民権を得たんだなぁ】と思いましたし、残念にもなりましたね。


4、このミステリー、謎は1つ


最後に、ミステリーとしての感想を書こうかなと思うのですが、私が思うにこの作品のミステリー要素はたった1つ。

・・・なので書けません(汗)
細かい謎はありますがここを言ってしまうと、読む楽しみが半減しちゃうんじゃないかと思いますので、この場では伏せておきますね。

実際、皆さんが読んで感じてもらえればと思います。


ミステリー小説の括りではありながら、ドローンや身体障害者の方の事も学べる本作は、探偵も連続殺人鬼も出てきませんので、フィクションでありながらノンフィクション気味の狭間も体験してみてください。


では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





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