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あけさんのごはん。

あけさんはいつも声が高くて
はーい❣️と言っている。

なにを話してもハートマーク付きという
独特の語尾をしている。

突然うずくまり皆んなに倒れたかと心配されるのに
ケロっと、探し物をしてたんです❣️と言う。
ごめんごめん❣️もハートがついている。


あけさんが野菜を切るとき
少し背中を丸めて慎重にしている。

もしかしたらいま、まな板の上で
ビーズアクセを作ってるのかもしれない。
わたしは音を立てないよう見守っている。

その野菜を、はーい❣️と言いながら
他の仕事をしながら
こんなにも美しいナスがあるのか、と思う
天ぷらにしてしまう魔法がつかえる。

あけさんの人参はビーズのようにかわいらしい。
わたしは、いつも誇らしくて
それを頼んだ人から歓声をもらうのを
楽しみにしている。



あけさんの丼は、甘めに味付けしてもらっている。
あけさんの作る甘みは、コクがあって香りがある。
なにも邪魔しないで、深みを増す甘みなのだ。



あけさんは忙しない。
いつも適当なようなのに
いとも簡単に花を活けてしまう。
小さな野花も
あけさんは、極上の位置に はめてしまう。
花は自由に 囁き合うように納まっている。



あけさんのごはんを食べると
いつもお腹が温かくなり
どこかの温泉帰りのような気持ちで 帰路に着く。

夏休みの前のような気持ちで
今からなにをしようと
ワクワクしながら帰るのだ。

あけさんの はーい❣️は
もちろんもう わたしにうつっていて、
もうそのトーンは
あけさんとわたしのコミニュケーションなのだ。


◆◆


あけさんとは色々なエピソードがあって
また今も現在進行形で続いている。

複数の事柄は分かれているようで
それは1つの道に紡がれているのだと
最近はそのようにおもう。

わたしたちは、いくつもの道について話すようで
本当はたった1つのことだけを
じっくりと時間をかけて 語り合っているのだ。

派生した事象からしか、
その茎と花について語ることができない。

その語り合いこそが 道そのもので
語り合う時間こそが その事柄なのだ。

そのことを いつか また書くのだろうとおもう。


そのことについて、ではない。
あけさんとの時間を、話すのだ。
あけさんへの想いが その全てで
それは わたしそのもの になっている。

#詩 #料理 #ご飯 #手作り