膵臓癌父の介護中に読んで励まされた樹木希林さんの本~「どうぞ、物事を面白く受け取って愉快に生きて。」
すい臓癌で闘病していた父を介護していたとき、本屋で見つけてふと手にした本があります。
「樹木希林 120の遺言」です。
「遺言」という文言にひかれ、パラパラとページをめくってみると止まらなくなり、購入。
それまで知りませんでしたが、樹木希林さんは父と同じく1943年生まれで、2018年9月に癌で亡くなりました。
その希林さんの、過去の発言をまとめた本です。(とにかくかっこいい!)
癌で亡くなった樹木希林さんの名言たち
私が付箋を貼った箇所を、書き留めておこうと思います。
父が何度か、「僕はどうやって死ぬんだろう?全然イメージがわかないんだ」とぼやいていました。
そんなとき、たしかに、この言葉は、本当にそうだなあ、と感じました。
最期の最期まで、「癌を治したい」と戦い続けた父とは、真逆。
どちらがいいとか悪いとかではなく、どうしたらこういう境地に立てるのか、とたまげました。希林さんは仏教徒ということをこの本で知りましたが、そのおかげ?もしもそうだとしたら、私も仏教徒になりたい。
これもまた、「老い」の捉え方がすごいなあと。
私はまだ40代ですが、すでに昔はできたけど今はどうやってもできないことが増えてきました。たとえば、階段を2段抜かしで走り下りるとか、まったくもってできなくなりました。
どうにかして不自由じゃなくなるように、現状維持できるようにと抗ってしまいますが、このように受け入れられるようになりたいところ。
このあたりの不自由さは、父も受け入れるのではなく最期まで抵抗して闘った生き方でした。
この言葉に関しては、私も父に対して同じ思いを持ちました。
困っている人に相談されると全身全霊で応えていた父ですから、だからこそ人に頼りにされ続けました。
2012年に父が白血病で入院中、多臓器不全になり生死をさまよって、なんとか復活した直後のこと。お見舞いに顔を出すと、身体を起こす体力もない状態の父が、誰かと電話をしていて。
電話が終わってから、「誰?緊急の用事?大丈夫?」と聞くと、「鬱病で会社に行けなくなってしまった知人から相談を受けていた」と。
「すごくかわいそうな状況なんだよ。」と心配してる姿を見て、「相談にのってた?!一昨日死にかけたあなたの方がかわいそうな気もするけど・・・」
とにかく人が大好きで、ものすごく交流関係が広かった父ですが、11月に再発してからは、本人の希望で病院にも面会謝絶にしていて、本当に家族+数人のお友達としか過ごしませんでした。
どういう思いでそうしたのか、聞いてみたかったけど、聞けませんでした。
今振り返ると、父も死に対して覚悟できていなかったし、私や家族もその覚悟ができていなかったように思います。
昨日、母が「まさかパパが私より先に死ぬとは思ってなかったのよね」と言ってました。
父は膵臓癌になる数年前には、白血病と再発を繰り返していたんですけど。それでもなお、自分が先に逝くと信じていたって。ある意味すごい前向きなのだろうか。
最後に、自分へのエールとして。
はい!Good luck to me!
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