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小さな自然のせかい

5月、近所でアパートの解体工事があり、その跡地はまだ更地のままだ。

大雨が降ったとき、そこには水たまりができた。乾いているときは完全に平らになっていると思った地面に、実は凹凸があったのだと気づいた。

水たまりがなくなったころ、地面にはちょっと大きめの石がいくつも転がっていた。雨水の力で地面の少し深いところにあった石が掘り起こされて表面に出てきたのだと思う。

しばらくして、その場所のあちこちには緑の葉が育っていた。何もない土の地面の下には植物の種があったのか。どこかから飛んできたのか。雑草と呼ばれる種類のものだと思うが、ぽつぽつと地面に存在する様はかわいい。このまま増え続けて成長し続けたら、かわいいとは思えなくなるだろうけど。

自分以外の誰かが所有する土地なので、そこがいつまでこのままなのかはわからない。もうちょっと、変化を観察したいけど、願いはかなうかな?

庭のある家に住んだことはないし、強く住みたいと思ったこともない。だけど、もし住むことがあったら、何もない地面のままにして、自然の雨や風や太陽の力でその場所がどう変わっていくのかを観察できたら楽しそうだなと思った。

もう大人なのに、小学1年生の理科の授業で教わるようなことに興味を持ってしまった。

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