見出し画像

哀しむオトコは魅力的

深い、深い 闇に浮かび上がる、三日月の光
漆黒の髪、小麦色の頬、痩せた鼻を持つオトコが
ミッドナイトブルーのシャツを着て
心悲しげに うつむいている

外ではライオンのやうに威張っているのに
私の前では傷ついた小鳥
見ているだけで、胸が締め付けられるように切ない

あぁ、哀しむオトコは魅力的
私が守ってあげなくちゃ、と想うの

この柔らかい胸にアナタを抱き寄せて
「いいこね」って頭を撫でれば
どんなオトコだってイチコロ

泣いていたら もっといいわ
弱っている時に助けてくれた人のことは
きっと長年、忘れないもの

怖い夢から目覚めた坊やに語りかけるように
とびっきり甘い声で囁くわ
「大丈夫よ、私がいるから」

ブルーベリーとミントの入ったお水には
こっそり惚れ薬が仕込んである
それを一口飲ませてから
甘酸っぱい声で 最後の一押し

「ずっと こうしてて あげるから」
そういえば、今日の下着は何だったかしら?

彼の涙は、全てこのサファイアブルーのボトルの中に
スキなオトコの液体で出来た、禁断の美容液
これ程 美に効くものなんてあるかしら

ほら、幸せの青い鳥は
アナタの肩に もう留まってる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?